Vol.5「ヒット商品」を狙う社長の何が間違っていたか?

Index

1.「ヒット商品」で売上を伸ばしたいという野望

2.「ヒット商品」狙いは、勝率が低い

3. 単品の粗利では事業を支えられない

4.「商品群全体」で利益が出るように設計する

5. どのような商品構成を作るべきか?

1.ヒット商品で売上を伸ばしたいという野望

 地方のあるケーキ屋さんからご相談を受けました。オーナーパティシエでもある社長にお話を聞いてみると、「お店をもっと大きくして売上を〇億円にはしたいんです。それから、お店も新しく改装して〇〇風にしたい。そのために、ヒット商品を作りたいんですよ。」とのこと。

 

  パティシエに限らず、フランス料理のシェフでも、板金加工職人でも、書籍の編集者であれ、これまで長い時間をかけて技術を磨いてこられた方々は、その知識や技術、クオリティに高い誇りを持っています。そして、夢を持ちます - いつか自らの手でヒット商品を生み出したい、と。

2.「ヒット商品」狙いは、勝率が低い

 「ヒット商品」で売上を大きく伸ばして、次の展開のために、多額の資金を稼ぎだす、という作戦は、勝率が極めて低いのです。なぜか?

 

  ①行列ができるようなヒット商品は、まずもって、生まれないから

  ②ヒットしても、余剰資金を生み出すためには相当数の販売個数が必要だから

  ③ヒットしても、1~2年でブームが去るから

 

 まず、貴社が提供するモノやサービスがヒットするには、最低限クリアすべき2つの条件があります。

 ・競合が少ないこと

 ・顧客に大歓迎されること

 

 しかし、「競合を減らすコントロール」「顧客大歓迎されるコントロール」という課題は、相手がどうでるか、相手次第で結果が変わります。自社の中でさえ課題の解決は困難です。競合や顧客など、どう出るか分からないものを対象に結果を出すには、相当な戦略と技術と努力が必要です。

 

 その結果、このモノもサービスも溢れた世界で、多くの顧客が飛びつくようなヒット商品を、中小企業が生み出せる可能性は極めて低いというのが現実です。 

3.単品の粗利では事業を支えられない

 それでも、すばらしいアイデアと努力と幸運で「ヒット商品」が生まれたと仮定しましょう。しかし、その「ヒット商品」で、会社が必要とするお金を稼げるのか?

 

 例えば、1個400円のケーキの粗利が200円だとします。

実際には、そこから販売経費がかかりますので、実際の1個当たりの利益は100円以下でしょう。

 

 次の店を出すために、なんだかんだで1000万必要だとする。

 

 その1000万円を稼ぐのに、そのケーキを何個売る必要があるのか?

 - 答えは、10万個です。(1000万÷100円=10万個)

   3年間で稼ごうとすると、1日に333個売らないといけない。(10万個÷900日=333.3個)

 

 単品で、事業成長をなしとげようとする経営者の夢は、現実的には非常に厳しい道になります。もちろんそれは、従業員に不毛な努力を強いる苦痛を与えることにもなります。社長も従業員も顧客もハッピーである事業を構築するには、基本的な戦略を間違ってはいけないのです。

「商品群全体」で利益が出るように設計する

 儲かっている企業は「ヒット商品」には依存していません。なぜか?

 

  ケーキであれ、飲食店であれ、「商品数の多い業態」において、「単品の粗利」だけで店舗の経費を支えることは不可能だからです。たくさんの商品の粗利の合計で、事業全体の利益を出していくのが本来のやり方です。

 

 数十種類、数百種種類の「商品群全体」で利益が出るように、最初から設計されているのです。

 

 店の人件費や家賃・光熱費を支払っても、なお、最終的な利益を出すためには、あくまでも「商品群」「商品全体」で十分な粗利を出していくことが必要なのです。


どのような商品構成を作るか?

 儲かる事業では、慎重なリサーチと「勝てる戦略」があります。商品構成は、より多くのお客様が買ってくださるように、しかも1年のうちに何度も買って下さるように練り上げられ、それがたくさん売れるように仕組みが作られています

 

 方々に目を光らせながら慎重に利益を出していくことは簡単ではないでしょう。しかし、次々に企業が退場していく厳しい市場の中では、少なくとも「ヒット商品」を出すことを狙っているよりは、はるかに高い確率で利益の出る会社になります

 

 さて。 

 

 皆さんの会社は「ヒット商品」を狙って「利益を出ない状態」に陥っていませんか?事業が成長していくような商品群、売れるための道筋は見えていますか?




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