Vol.9 どんな会社が価格競争の中で勝ち残るのか?

どんな会社も価格競争にさらされています。あなたの業界もきっとそうでしょう。顧客は常にあなたの出す価格と他社の価格を比べています。

 

そんな中で勝ち残る企業と消えていく企業で、商品構成やサービスメニューにどんな違いがあるのでしょう?

 

マンション管理会社3社の比較を通して考えてみましょう。(昨年、私の自宅マンションの管理会社3社を比較選定した実話です。)

マンション管理会社のサービスメニュー

マンション管理会社の「サービスメニュー」は、だいたいこんなふうになっています。

どの会社で見積もりを取っても同じような項目です。(まあ、やる作業はみんなほぼ同じですからね。)

 

・日常清掃(マンションのゴミ置き場・廊下・階段などの共有部分の掃除)〇〇万円

・定期清掃(年に数回のエレベーター保守、消防設備点検等)〇〇万円

・マンションの管理費や修繕積立金等を徴収と管理 〇〇万円

・大規模修繕計画(10数年に一度の修繕の計画) 〇〇万円 等

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                     合計 〇〇百万円/年

 

あなたが数万円の「マンション管理費」を毎月払っているとします。その管理費は一度マンション全体でまとめられます。

 

あなたのマンションは、その管理費から、管理会社に1年間で数百万円を払って、こういった面倒な仕事を委託するというわけです。

あなただったらどの会社を選ぶか?

私たちは去年、業者の再選定のために複数のマンション管理会社に「1年間の業務委託費」を相見積もりをしてみました。結果、どこも委託費は似たりよったり。

 

ただし、各社の提案内容が違う。サービスメニューは同じだし、金額もそう違わないのですが、「うちはこんなに素晴らしい!」と営業マンが主張する内容が違うわけです。

 

ですから、3社に住民向けのプレゼンテーションをしてもらい、住民投票でどの業者が良いかを選ぶことになりました。

 

さあ、あなただったらどの会社を選ぶでしょうか?

 

1社目、A社の提案。

 

私たちは清掃が得意です。マンションの隅々までピカピカにします。階段のホコリを取り、ゴミ収集所をもっと清潔に、集合ポストの上のホコリまでキレイにします、とアピール。

 

2社目、B社の提案。

 

どこよりもお安くさせていただきます。誠心誠意、管理させていただきます。どうぞよろしくお願いいたしますと、安さと誠実さをアピール。

 

3社目、C社の提案。

 

当社はマンション管理コストについて、短期的な削減だけでなく、長期的なコスト削減に貢献します。そのために長期修繕計画を見直して...と長期的なコスト削減策の具体案をアピ―ル。

 

結果、住民投票で1位に選ばれたのはどこだったでしょう?

 

・・・・

 

答えはC社。住民の7割近くがC社を選んだのでした。(2位はA社、最下位はB社)

 

C社が提示した委託金額は、実は他社よりも10%ほど高かったのですがー。

なぜ、住民はC社の「長期的なコスト削減」を評価したのか?

あなたがこのマンションの一室、3LDKを買ったとします。

 

するとあなたは、住宅ローンの他に、管理費や修繕積立金を毎月3~4万払うことになります。年間で40万円以上の負担です。これがマンションを保有し続ける限り続きます。

 

10年で400万円、20年で800万円、30年で1200万円...と気が滅入るほどの金額を払うことになるのですね。(しつこいようですが、住宅ローンの他に、です。)

 

この長期的に続くコストは、あなたにとって「ピカピカ」よりも「目先の安さ」「誠実な管理」よりも重要な問題になるはずです。

 

C社の勝因は、住民たちのこの価値観を捉えて改善策をうまくアピールできたことでした。C社が「何が住民の心を捉えるか」をよく研究した結果でしょう。

高いなら、高いなりの〇〇を提供しよう

値下げはしたくないな、できるだけ高く売りたい、、、、という、あなたの気持ちはわかります。

 

だとしたら、お客様に、高いなりの「価値」を提供しましょう。

 

「サービスメニュー」の項目は他社と同じに見えたとしても、

「品揃え」や「商品構成」が他社と同じように見えたとしても、

そこに「価値」を吹き込むのです。

 

さて。

ここで質問。

 

あなたは、あなたの商品・サービスがなぜ他社より高いのか、お客様に説明できますか?

(そりゃー、安く仕入れられないからですよ、なんて言わないでくださいね。)

 

その割高な値段にどんな「価値」があるのか、お客様に言えますか?

「価値」って何?

...そう言われても、「価値」ってなに...って思いますよね?

「品揃え」に「価値」を吹き込む??

「サービスメニュー」に「価値」を吹き込む??

 

 「価値」というのは、、、 と続けたいのですが、長くなりそうなので、次回、価値とは何か、お話ししていきましょう。

 

価値と強みの違い、価値の作り方、等など、勝ち残りのために経営者が知るべきことがたくさんありますので。(興味のある方向けに、コラムの更新をこちらのメールマガジンでお知らせしています。読み忘れないようにご登録ください。)

 

どのようにして「価値」を実現するのか?

さて、C社の話に戻りましょう。

 

実はC社は、他社と同じように見える「サービスメニュー」に、「長期視点でのコスト削減」という価値を吹き込んでいたのですね。

 

営業マンはその価値をアピールしたわけです。

 

ここで、「価値」を「アピール」するというのは、口先だけの話、営業マンのセールストークの問題ではないことを覚えておいてください。

 

その「価値」は、「会社全体」で実現します。

 

その「価値」を実現するためには、社内の価値観を変える必要があるかもしれません。新しく学び、ノウハウを集め、商品構成やサービスメニューを変えることになるかもしれません。

 

さらに、社内の作業内容を変え、人材を教育し、体制を作り直す必要も出てくるでしょう。

 

そこでは当然、経営者であるあなたの決断とリーダーシップが必要です。

 

面倒くさい?...お気持ちはわかります。

 

でも、このまま価格競争を傍観しているだけだったら、5年後、10年後、あなたの会社はどうなるでしょうか? 

 

そもそも、あなたは何のために経営をしているのでしたっけ? 

最初は、誰かに喜んでもらうことや、自分自身や家族が豊かになることを目指していたのでは?

 

重い腰を上げて、顧客にとっての「価値」を実現するために決断し、行動した会社が勝ち残れるのです。

 

大事なことなので、もう一度質問しましょう。

 

あなたの会社がお客様に提供できる「価値」は何ですか?

 

あなたは、価格競争の中で勝ち残るための戦略を持っていますか?


●コラムの更新をお知らせします(毎週木曜日)

本 由美子 もと ゆみこ

㈱Sente 代表取締役

代表コンサルタント