Vol.10 顧客に選ばれるための「価値」とは何か?

前回のコラムでは、

 

価格競争の中でも、商品構成・サービスメニューに「価値」を吹き込めば勝ち残れる

 

とお話ししました。(コンペに勝ったマンション管理会社の事例です。)

 

「価値」というのはお客様があなたの店を選ぶ決め手になるものです。

だから、とても重要です。

 

ですから、今日は改めて「価値」について考えてみましょう。

「価値」=「高品質」、ではない

商品構成・サービスメニューに吹き込むべき「価値」は、

 

相手に直接「メリット」「うれしさ」「便利さ」をもたらすもの

 

です。

 

よく「価値」と間違われるのは、「高品質」「上質」「高級」「希少」なもの。

 

確かに、そういった「良いもの」「珍しいもの」は、芸術的・技術的・流通量の観点から「価値」があります。

 

でも、これは「お客様があなたの店を選ぶ決め手」になりません。なぜなら、「高品質」「上質」「高級」「希少」なものは値段が高いから。

 

あなたのお客様は、日々財布の中身や予算を考えながら買い物をしています。(皆さんだって、自分が何かを買うときには、そうしているのでは?私はいつもそうしています!)

 

そんな中で「高品質」をウリにして高く売ったら、結果的に単に客数が減るだけです。

(日本は製造業が強い国ですので、国を挙げて「高品質」や「優れた技術」を持ち上げます。でも、小売・サービス業に関わる私たちは、ここを冷めた目で賢く判断しましょう。)

自社の強み=価値、でもない

もう一つ「価値」と混同されるのは「自社の強み」です。経営セミナーで言われたり、経営の本に書かれていたりしませんか?「自社の強みを見つけて武器にしましょう!」...アレです。

 

でも、「自社の強み」も「価値」ではないことが多いのです。

 

なぜなら「自社の強み」は、多くのケースで「自画自賛」になってしまっているから。

 

 地元で愛されて30年...

 優れた職人技...

 北海道のこだわり大豆...

 洗練されたデザイン、...

 〇〇賞受賞...

 丁寧な接客...

 元気な挨拶...

 

あなたが、こういう「自画自賛」的な商品・サービスを一方的に並べ立てても、「お客様があなたの店を選ぶ決め手」にはなりません。

 

お客様にとってのメリットが何なのか、分からないからです。(「価値」はお客様に直接メリットを提供するものでないといけません。)

「強み」と「価値」はココが違う

「強み」が「価値」ではない、という考え方は、結婚に例えるとよくわかります。

 

あなたが花子さんという女性とぜひとも結婚したい、という状況を考えてみましょうか。

 

あなたは、花子さんに自分の「価値」ではなく、「強み」をアピールしたとします。

 

「花子さん、私には職人の技があります。それに、昔〇〇賞と〇〇賞を受賞したこともあるんですよ。結婚してください!」

 

...こう言われた、花子さんの気持ちを想像できますか? 花子さん、きっと「だから何?」と感じるでしょう。花子さんは、あなたの元を立ち去ります。

 

...これが、あなたのお店とお客様の関係だったら悲劇です。

「価値」でプロポーズするとどうなるか?

「価値」は「相手があなたを選ぶ決め手」です。

「価値」は、相手に直接「メリット」「うれしさ」「便利さ」をもたらします。

 

だとすると、自分の「価値」を花子さんにアピールする言い方はこんな感じです。

 

「花子さん、僕には職人の技があります。だから、安定収入があるんです。僕と結婚すれば、あなたはお金の心配をせずに暮らしていくことができます。

 

僕は〇〇賞と〇〇賞を受賞しました。この才能と努力する力があれば、どんな困難も乗り越えてあなたを幸せにできる。だから結婚してください!」

 

...どうでしょうか?

 

「強み」と「価値」の違い、ご理解いただけましたか?

 

花子さん、こんな「価値」のあるあなただったら、結婚してくれるのではないでしょうか?

 

ポイントは、「価値=相手に直接的に役に立つこと」です。

成功企業が実現している『5つの価値』

「だったら、うちの店は、お客様にどんな価値を与えられるのだろう?」

「どんな価値をアピールすれば、お客様が他ではなくうちの店を選ぶのだろう?」

 

って思いますよね? 

 

実は、小売・サービス業でお客様がお店に求めている「価値」には「成功法則」があります。人間はみんなモノを買うときに似たような判断をします。(個人でも企業でも。)だから「共通項」が存在するんですね。

 

成長する小売・サービス業は、日本でも海外でも、次のような価値をお客様に与えています。

 

『商品構成・サービスメニューに吹き込むべき、5つの価値』

 

 1.安さ(出せる価格の中で最高の品質、値ごろ感、お得感)

 2.豊富さ(たくさんの売れ筋商品の中から選べること)

 3.早さ(提供時間が早いこと。選ぶ時間が少なくて済むこと)

 4.便利さ(気軽に買えること、自由に買えること)

 5.心地よさ(快適さ、清潔さ、楽しさ等)

 

 スーパーマーケット、アパレル、靴屋、学習塾、飲食店、マッサージ、、、ほとんどの業界で、この5つの価値をお客様に提供できた企業が古い業態を壊しながら、成長し、頂点に君臨してきました。

 

 最近、Uber、AirBnB、メルカリ、airClosetなど、新たな業態が急成長中です。こういう企業がお客様に選ばれる理由はシンプル。お客様に『5つの価値』を提供しているからです。

あなたの会社で『5つの価値』を作りこむ考え方

 あなたのお店の商品構成・サービスメニューに、こういった「5つの価値」を吹き込みましょう。5つ全部は無理でも、1つか、2つは実現できませんか?

(実現の方法は、前回のコラムに書いた通り、会社全体で動く、です。)

 

・競合に「安さ」では負けるが、社内の作業の内容を工夫すれば、納期を「早く」提供できるかもしれない...

 

・競合に「安さ」では負けるが、インターネットを使えば、お客様の買い方を圧倒的に便利にすることができるかも...

 

・全体的な「安さ」では競合に負けるが、〇〇部門だけは「安く・豊富な品揃え」にできるかもしれない...

 

...と、こんなふうに考えていくと、あなたの勝ち方のヒントが必ず見えてきます。

次回予告

次は、お客様の「不満」の解決、について考えていきましょう。

 

 クレーム対応のこと?

 

 いえ、クレームというほどでもない「お客様の不満」を捉えて解消する「商品構成・サービスメニュー」が、あなたのお店のファンを増やすチャンスになることが多い、というお話です。


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