Vol.14 最先端の惣菜売場で考える、いま小売業に必要なものとは?

最近、集中的に食品スーパーのリサーチをしています。

その中で、おもしろいなと思ったのが、「“惣菜“選挙」。(”総裁”選挙ではなく。)

それは、食品スーパー“S“社の某店舗の惣菜売場で展開されていました...

つまり、手の込んだ人気商品投票

“惣菜“選挙というのは、食品スーパー“S“の惣菜売場で、期間限定で実施された、総裁選挙のような、都議会選挙のようなイベントです。

 

店内を歩いていると、惣菜売場の一角に、遠目からでも目に付く“選挙掲示板”(のようなもの)。なぜだか、6人の“立候補者”の選挙ポスターが貼られています。(A4サイズで6枚) 

 

さらに近づいてよく見ると、その“立候補者“は6人のバイヤーで、それぞれがお薦めする商品(惣菜)を持って、公約を掲げているわけです。(“私が当選したら、同じ値段のまま、唐揚げを倍量にします!”等)

ふと見ると、掲示板のそばには投票箱(本格的なアルミの投票箱)と投票用紙が置いてある。皆さんは、立候補者(バイヤー)がお薦めする6つの惣菜からどれかを選びたくなる。(買わなくてもいいんですが。)そして、これは!と思う、好みの惣菜(バイヤー)に投票する、という流れ。

 

ご丁寧に“中間発表“結果のポスターもあり、中間発表で上位になれなかったバイヤーたちは、ポスターの上で悔しそうな表情をしています。(何とも気持ちを引き付けられるビジュアル。)

 

奇しくも都議会銭と同じく7/2に“投票”を締め切ったもよう。間もなく人気ランキングが発表されることでしょう。(多くのお客様が、その結果が気になっているはず...)

そのイベントの顧客吸引力がすごい

普段なら、用事がなければ通りすぎてしまう惣菜売場。

 

そこで、そのイベントスペースが発する、お客さんの吸引力、来店客の心をつかむエネルギー、がすごいなと。

 

それもそのはず、

 ・日本のスーパーではあまり見ない、(よい意味で)常識を逸した企画内容

 ・広いイベントスペース

 ・手の込んだ販促ツール
  (“選挙ポスター”、投票箱、投票用紙、“政見放送“(各バイヤーによるアピール動画)..

 

・・・等々、この会社が、相当な人件費(時間)、広告宣伝費をかけて、このイベントを作りこんでいることは明らかです。

 

それで売上・利益がどれほど出るかが一番重要なところではあるのですが、まずは、お客さんに強烈にアピールして引き付け、ワクワクさせている、という点ではかなりのレベルの高さでした。

その「叫び」はどこから出るか?

ここは、まるで叫んでいるような売場だな、というのが私の感想です。(実際には、誰も声は出していないのですが..)

 

「よそではなく、うちの商品を見て!!!お願いします、また来店してください!」と。

 

食品スーパーでさえも、こんなにも複雑で積極的な販売手法が必要になってきていることを、改めて感じさせられます。

 

「食品スーパー」という業態は元来、広い売場を確保して、色々な部門・品種からなる幅広い生活必需品を安く、新鮮な状態で陳列する、というものでした。

 

しかし、今、単に「安くて良いものが揃っている」というだけでは、お客様は興味・関心を持たなくなっている

 

人口も減りつつある中で、インターネット店舗や格安店舗等、競合はまだ増えている。

(特にこのsスーパーは、昨年、インターネット販売から撤退し、同時期に近隣に格安スーパーができたことで、店内販促を強化することが重要になっています。)

 

そんな中で大事に思ってきたお客様が、あっさりよその店に行ってしまったり、ネットで食品を購入したりしている。外部環境は過酷です。(皆さんの会社も同じでは?)

 

このS社の惣菜売場の”叫び”は、強烈にアピールしなければ、生き残れなくなる、という危機感から発せられているのではないでしょうか。

楽しくチャレンジする

救いなのは、“惣菜”選挙が、実に楽しい感じに作りこまれていたこと。この企画を担当した人たち、この企画をにGOサインを出した役員・経営者は、ハラハラしつつも楽しい気持ちでこの売場の新しい試みを見守っているのだろうなということ。

 

そうやって、「どうやったらお客様に楽しく買い物していただくことができるか」に狙いを定めて、商品構成や販促策を考えていくことは、会社の未来を明るくするための王道です。

 

さて。

 

あなたのお店は、お客様に「よそではなく、うちの商品を見て!!!」とアピールできているでしょうか。自信のある商品構成を作りこみ、それを買ってもらうための効果的な販促策を実現することができているでしょうか?


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