Vol.18 「この道ひと筋」の人が失敗しがちな商品構成・メニュー構成とは?

今週、10か所近い販売拠点を持つ「魚屋さん」のプロジェクトが始まりました。

”魚屋なのに「鶏のから揚げ」を売ってるんです”

社長とお話をしながら気になったのは、

 

「うちの店、魚屋のくせに、鳥の唐揚げなんか売っているんですよ。でも、これがけっこう売れるし、魚より粗利がいいんですよね。」

 

..とのご発言。

 

何が気になったかといえば、社長が笑顔ながらも、きまり悪そうなご様子であったこと。

 

 

この社長、魚の目利きについては、この道25年のプロ。「魚」のプロが「肉」に手を出すことに、なにかバツの悪さを感じられたのかもしれません。

「この道一筋」の人がやりがちな商品構成・サービスメニュー

テレビ、雑誌、新聞等のメディアは「この道一筋ウン十年」の人を頻繁にクローズアップして賛美します。確かに、そういう職人・名人の方々は本当に素晴らしいクオリティの仕事をされますよね。尊敬すべきことだと思います。

 

経営者の中にも、自分自身が「職人」でありつつ「経営者」、という”兼業”の方がたくさんいらっしゃいます。(和洋菓子、パン、工務店、畳屋、美容室、マッサージ、ネイルサロン...等など)

 

が、経営者が「職人モード」で商品構成やサービスメニューを作ると、残念ながら、売れないものになることが多々あります。

 

例えば... 

 

素晴らしい材料と、素晴らしい技術で商品やサービスのクオリティは最高。ところが、その素晴らしい材料と手間が販売価格に転嫁されて、店周辺の人が買えないほどに高価格帯になってしまったり。

 

だったら、遠くからでもお客様が来るように、広告宣伝やアピールをしていけば良いのですが、売り方は苦手だったり。

 

「俺のこだわりの××」を頑なに守ってみるものの、実際、それがお客様のニーズとはズレていたり、お客様に理解されなかったり。

 

もはやお客様がその製品・サービスを求めておらず、商機は別のところにあると分かっていても、ある特定の製品を作ること、ある特定の作業を行うことが長く身についているために、自分を変化させることができなかったり。。。

「経営者モード」で判断するとどうなるか?

この中で、自分の「職人」の部分を最大限生かしながらも、最終的は「経営者」として判断できた方々が、大きく成長したり、利益を出したりしているのです。

 

もし「職人」兼「経営者」の社長が、「経営者モード」で判断したら、商品構成やサービスメニューはどうなるか?

 

まず、地域の人を顧客として迎えたいならば、地域の人の予算感に合わせた商品構成・サービスメニューを作る。そのために必ずしも「最高品質」にはこだわらず、「喜んで買ってもらえる品質」の商品構成を目指す。

 

「最高品質」や「希少さ」「こだわり」をウリにするなら、販売手法、広告宣伝、ブランディング等、「売るための努力と投資」を怠らない。

 

「自分のこだわり」を捨てるわけではないけれど、お客様のニーズに極力合うように柔軟にアレンジはできる。

 

時代の流れで、ある部門、ある品種、ある商品などがお客様に好まれなくなったら、潔く変化を受け入れ、その変化に合わせた新しい商品やサービスの提案をする...等々

 

そうやって、世の中の変化に合わせて、商品構成、メニュー構成、売り方、会社の在り方を変えていけるのが、経営者の正しいあり方だと思うのです。

「柔軟な変化」をこそ誇れ

さあ、ここで冒頭の「魚屋なのに唐揚げ」の件。

 

「いやー、唐揚げ、いいですねー。」とわたし。 

 

つまり、唐揚げ賛成です。

 

なぜなら、「この道一筋」の職人でありながら、お客様の変化に合わせて、柔軟に商品構成を変えてこられているから。これは立派なことです。

 

「素晴らしく活きのいい魚」を売ることがすべてではない。

 

極論すれば、お客さまは「朝食のおかずが必要」「夕食の惣菜が必要」とか「来客時に食卓に広げられるごちそうが必要」なのであって、惣菜であれ、鶏肉であれ、とにかくその目的を果たしてあげることが重要なのです。

 

だから、魚を売るよりも「唐揚げ」が喜ばれるなら、それを堂々と売ればいい。

しかも、よく売れて、その利益率が高いなら、素直に喜んでよいと思うのです。

  

「昔は〇〇屋だったけど、今は全く違うなぁ..でもお陰で商売がちゃんと続いてるなぁ...」というのが正しいと、私は考えています。

  

さて。

 

あなたは、「職人」の道を生かしながら、「経営者」の判断ができているでしょうか?

お客様に合わせて、柔軟に変化できていますか?

今後10年成長していける道筋を見つけることができていますか?


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