Vol.20 経営者にお薦めの本(2017年夏)

今日は趣向を変えてお薦めの本のご紹介をしましょう。 

 

私は、仕事柄、本をたくさん読んでいますが、この半年で「これは日本の全ての経営者が読むべきだ!」と思った2冊と、おまけの1冊を選びました。

 

1冊め。こちらです。

元ボストンコンサルティングのコンサルタント、現在はハーバード大学で教鞭をとる、クリステンセン先生の「イノベーションのジレンマ」です。

 

なぜ「優良企業」さえ失敗するのか?を掘り下げて考え抜いた研究。

 

優秀な経営者は優秀であるがゆえに「得意客」の要望に最大限応えることを重視する。(持続的なイノベーション)

 

それゆえに、いつの間にか、新参者が始めた「破壊的なイノベーション」に市場を乗っ取られてしまう。

  

(このあたり、あらゆる小売業がインターネットに押されている状況、を思わせます。)

 

だから、新しい商機が見えたらどんどん挑戦すべきなのだ...というのが大筋。挑戦するときには、全くの組織でやること、全く別の評価体系を作ること、など具体的に提案されているところが非常に実用的です。

 

この本は「序章」で話の全体をつかめるのがいいところ。序章と第1章「なぜ優良企業が失敗するか」だけでも読むといいですよ。

 

自分の弱点を見透かされているような恐ろしさを感じ、でも、最後には未来に向けたチャレンジをしたくなるでしょう。



2冊目はこちら。

ドラッカー先生の「イノベーションと企業家精神」です。

辞書、あるいは聖書として、社長の本棚に持っておくべき1冊。

 

「起業家」ではなく「企業家」なので、すべての経営者を対象に書かれています。

 

「イノベーション」は日本では”技術革新”と訳され、製造業の話に使われることが多いのですが、「イノベーション」の本来の意味はもっと広くて、

 

  新しい機会(ビジネスチャンス)を見つけて事業化すること。

 

「イノベーション」は、小売業にもサービス業にも重要なのです。

 

じゃあ、どこにビジネスチャンスがあるのか、を整理してくれています。

 

例えば、ビジネスチャンスの一つが「予期せぬ成功」。

 

これに関しての事例が興味深い。

 

アメリカの百貨店で、ある時から家電が急に売れ始め、婦人服をしのぐ勢いに。しかし経営陣(多くが婦人服部門出身)はそれを商機だと捉えず、「むしろどうしたら婦人服がもっと売れるか」にこだわり続けて、チャンスを逸した、というエピソード。小売に関わる私たちにも思い当たる節がありませんか?

 

全部で20章ある本なので、1日1章、1か月くらいで読むといいのではないでしょうか?ゆっくり読み進めながら、事業戦略を練ることができます。



3冊目はこちら。

3冊目は、好きずきなので”必読”ではないですが...堀江貴文の「ゼロ」です。ライブドア事件で服役して、出所後に初めて出した本ですね。

 

この人は今、インターネット事業、ロケット事業や再生医療事業など色々取り組まれていて、普通の人には見えていない「未来」が見えている人、だと私は思うのですよ。が、なんせ発言にトゲがあるので、不愉快になる方が多いのではないかと。(私はそうでした。)

 

この本は、彼にとって初めての自伝的な内容で、家族のこと、少年時代、青年時代、創業エピソード、等について書かれ、これからどんな仕事をしていきたいのかが素直に綴られています。

 

先日、堀江さんが出資する民間ロケット事業の小型ロケットMOMOの発射が失敗したことがニュースになりましたが、実は彼は高校生のころからロケットを飛ばすことが夢で、実際に化学の先生と一緒に火薬を使ったロケット発射実験をしたりしていたのですね。

 

抜群に頭のいい、情熱的な、でも常識的な意味ではコミュニケーションがうまくない、そしてどこか寂し気な、、、という彼の人物像が見えてきて、今まで私が彼に感じてきた「嫌悪感」みたいなものが中和されたのが何もよりもよかったのでした。

 

この本をきっかけに、ホリエモンを少なくとも「嫌いじゃない」程度になり、彼の発言や著書を素直に受け取れるようになってきています。

 

「とんがった人」からも学べるようになると、私たちに見えてくる未来、私たちの作る戦略は、ずいぶん違ってくると思うのです。ご興味があれば。



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