Vol.23 経営者が知っておくべき、生活者の時間感覚変化

「アメリカ人っていうのは...」に違和感

先日、ある会合でお会いした、大手の食品小売業の経営者の方と雑談をしておりました。

 

話題がアメリカの小売業の動向に、話が及んだ時のこと。(その方も私同様、アメリカの小売・サービス業の動向は重視していて、度々現地に視察に行かれていたのです。)

 

その方が気になるご発言を。

 

「モトさん、現地に行くと、アメリカ人っていうのは、時間節約のためにお金を払う人種だなぁと気づかされますね」。

 

んん?..ものすごく違和感のあるご発言...

 

その方が、「時間節約志向=アメリカの話=日本に関係ない話」のような捉え方をされているので、私は驚いてしまったのです。

 

まあ、たしかに。

 

マクドナルドなど、ファストフードチェーンの発祥はアメリカですし、冷凍食品もアメリカがメッカ。今でも、アメリカに行けば、食品小売業では、主婦たちが短時間で献立を決め、食材を買えるような商品構成やサービスを提供する先進的な取り組みが至る所に見られます。

 

でも、日本もそうなってきているよ、という感覚を、その経営者の方はお持ちではないようでした。(この方の店は大丈夫かなと心配になります。)

 

 

 

消費者、特に主婦の時間感覚

いまや、消費の中心である主婦は、8割近くが仕事を持つ時代。

子どもが小さい世帯でも、ワーキングマザーの比率はどんどんふえています。

 

その働くお母さんたち。まさに時間に追われながら、暮らしているのが実態です。

 

例えば、9時から6時の仕事”プラス”、片道30分、往復1時間の通勤をしている「お母さん」を想像してみると良いでしょう。

 

5:00 起床、朝食・夕食の支度、自分の支度

6:30 夫、子ども起床、子どもの世話、朝食、片付け

7:30 子どもを保育園へ

8:00 通勤ラッシュの電車に乗り込む

9:00 仕事開始

 :

 : 会議2つ、営業で外出3時間、客先訪問2件

 :

18:00 仕事終了(残った仕事を家に持ち帰る)

19:00 保育園へ子どもを迎えに

19:30 子どもと夕食、片付け

20:30 お風呂、洗濯、乾いた洗濯物を畳む

21:00 子ども就寝

21:30 会社から持ち帰った仕事の続き

22:30 夫帰宅

23:00 就寝(夫は1時間後に就寝)

 

夫の協力があまり期待できない中で、息つく間もなく仕事と家事と育児をこなしている姿は、もはや”普通”です。

 

時間を買う、という感覚

この中で女性たちは、省略できるものは省略する、買い物に手間をかけない、食事に手間をかけない、洗濯に手間をかけない、育児も割り切って外注する、という工夫を重ねながら、何とか家事と仕事をやりくりしているのですね。

 

食事は自分で作るのではなく、惣菜やキットを買う。

週に2回は外食する。

店に、モノを買うことは減り、スマホで買えるものはスマホで買う。

 

裁縫はせず既製品を買う。

掃除は外部の家事サービスに委託する。

子どもの面倒をシッターさんにお願いする。

 

病気の時でも、子どもは人に預ける。(病児保育)

子どもの勉強を見てやる代わりに塾に通わせる。

 

最近は、本人の代わりに服を選んで毎月送ってくれるサービス(※)というのもありますね。

 

※AirCloset(エアークローゼット。毎月定額で、プロが服を選びユーザーの顧客に送付、ユーザーはその服を1か月間レンタルする仕組み。サービス開始から2年で会員数が10万人となり、大きな支持を得ている)

 

多少値段が高くなったとしても、外注することで、それだけの時間が捻出できるなら、

喜んでお金を払う、と言う人は確実に増えているのです。

 

 

海の向こうの話、ではありません。今、あなたの周りの、そこらじゅうで起こっていることです。

 

そして、この実態が、買い物行動、つまりあなたの店の客数に大きく影響しています。

あなたのお客様の時間間隔はどのように変化しているか?

さて。

 

問題は「あなたの店」です。

 

10年前と今とで、あなたのお店のお客様の時間感覚は、どのように変化しているのでしょう?

お客様にとって、あなたの店の商品・サービスの買い方や扱い方は、どんなふうに変化しているでしょうか?

 

 

その変化をうまくとらえられずに、旧態依然とした商品構成・サービスメニューを提供し続けていると、必ず客足は遠のき、売上が落ちていきます。人件費や家賃をまなかうことができなくなり、廃業に追い込まれてしまいます。

 

お客様が変わっていることを薄々感じていながらも、それがはっきり見えてこないのは、多くの場合、自分が変わりたくない、今までやってきたことを変えたくない、という心境の裏返しだったりもします。

  

逆に、この時間感覚や価値観の変化に合った商品構成やサービスメニューができるれば、うまく売り上げが伸びるのです。

 

 

あなたのお店では、お客様の時間感覚や価値観の変化に合わせた商品構成・サービスメニューを提供できていますか?


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