Vol.24 バイヤー中心の組織が成功するケースとそうでないケースの違い

「うちのバイヤーの目利きはすごい...」という話

先日、創業30年を迎える、ある物販の企業で、社長と、商品構成を今後どうしていくか、話をしていた時、社長がこんなことをおっしゃいました。

 

「うちの●●の目利きは、この界隈でも一番だと思いますよ。あれは本当にすごい。」

 

聞けば、社長の右腕であるバイヤーの●●さんが、素晴らしい商品選定眼を持ち、良いものを安く仕入れてくる手腕をお持ちだということなのです。

 

 

きっと、その方と社長の二人三脚で会社を大きくして来てこられたのでしょう。社長は非常に誇らしげです。

 

規模が大きくなればなるほど、店長よりもバイヤーの方が権力があることが多く、組織自体がバイヤー中心になっているところもあります。

 

 

この店の「裏方のキモ」である、バイヤーさんたち。

 

売上が伸び悩み、大きく商品構成を変えて起死回生を図ろうとする時に、「すごいバイヤー」と「そうでないバイヤー」の違いが出てきます。

“目利き“より、“開拓力と柔軟性“がキモ

一般に、バイヤーを「すごい」という時、モノの品質を見極め、そのモノの調達に関する情報を豊富に持ち、タフな交渉をする、というイメージが持たれがちです。

 

マグロのしっぽを切り落としただけで、そのマグロの脂の乗りや身の締まりを秒速で判断できる、とか。

 

日本中のリンゴの産地と収穫予測量と品質を把握し、8万個のリンゴを3日で調達できる、とか。

 

そういう伝説的なバイヤーが、各業界に存在しています。

 

それはそれで、確かに「すごい」のですが、それは、「売れるモノ」があってこそ、の話。

マグロなりリンゴなりが売れているから、その神業のバイイングが生きるわけです。

 

 

しかし、今、私たちの周りで起こっていることは、「マグロやリンゴが売れない」という状態。つまり、今までうちの会社の成長を支えてきた主力の商品群が売れない、という事態なわけですね。皆さんの会社も、多かれ少なかれそうであるはずです。

「すごいバイヤー」は、変革時に必要なものを全て調達してくる

会社としては、時代に合わせて、魚屋を海鮮食堂にした方がいいかもしれない。八百屋を野菜料理がウリのデイケア施設にした方がいいかもしれない。今までと全く違う商品を扱う必要が出てくる可能性が高いわけです。

 

そんな時に、「単なるメーカーと店のつなぎ役」「単なる購買事務屋」でしかないバイヤーは、当然、何ら力を発揮しないでしょう。しかし、「すごいバイヤー」は、必要なものを全て調達してきます。

 

家電のバイヤーだった人が、売れる家具をゼロから調達してくる、とか

文具のバイヤーだった人が、売れる菓子をゼロから調達してくる、とか。

あるいは、なんのバイイング経験もない居酒屋の社長が、漁港に行って安い魚を調達してくる、とか。

日本にない材料を、中東まで行って調達してくる、とか。

 

今までのバイヤー経験で培った開拓力を生かして、新しい商品構成や新しい業態ための仕入先を、柔軟に、うまい具合に見つけてくる。このアグレッシブさが、この局面では「すごい」と言えるのです。

 

何を売るか決めるのは、社長

このとき、バイヤーが自分の得意分野である「マグロ」や「リンゴ」にこだわってしまうと、時代に合った商品構成を作ることはできず、会社は変わることができません。

 

バイヤーの力が大きすぎて、古くからの商売を、もはやお客様に支持されなくなったにも拘わらずダラダラ続けて、売上を下げ続けている事例は、本当に多く存在しています。

 

同様に、経営者がバイヤーに頼りすぎている場合も、売上が下がり続けます。売上が伸び悩む局面で、バイヤーが何とかいい商品を持ってきてくれるだろうと、責任を転嫁するわけですね。

 

でも、伸びていくために自分たちが何を売るかは、広い意味では社長が決めることなのです。りんごを売るのではなく、フルーツゼリーを作って売ろう、というような大きな決定は、社長にしかできないことですから。

 

さて。

 

 

みなさんの会社では、停滞を乗り越えられる「バイヤーの力」を持って、新たに「売れる商品構成」を作れているでしょうか? 


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