Vol.25 スリッパがダメだと「メニュー」もダメな理由

先日、「この機会にサービスメニューを作り直したいのですが...」とのご依頼を受けて、とあるエステサロンを訪問した時のこと。

 

「まず、サロンの中をご覧くださいますか?」と、美しいオーナーさんが、トリートメントルームなどのサロン内を見せてくださいました。

 

白を基調とした清潔感・高級感のある内装・インテリア。棚に整理されたリネン類も清潔感あり。いいですねー。素敵です。

 

が、トイレを案内されたときに、そこに「とても気になるスリッパ」が...「メニューの作り直し」以前に、そっちが気になる...

 

何が気になるかと言えば、そのスリッパが、赤いチェック柄、起毛素材と、インテリアにミスマッチだったこと。

 

さらにそのスリッパが、”使用感あり”の「へたった」印象だったこと。うーん。。。何というか、一人暮らしの女の子の部屋のトイレにあるような、ちょっと使い込んだ感じ印象のスリッパだったわけです。

ヘタれたスリッパの何が問題か?

清潔感に対する配慮が足りない?

インテリアと小物をコーディネートするセンスがない?

管理者の管理不足?

おもてなしの心が足りないとか?

 

...いや、そういうことは枝葉の問題であって、もっと重要な見落としがあるのです。

 

当店は、お客様としてどのような人を想定しているのか?

そのお客様が、このサロンに何を期待するのか?

 

そういう、「お客様ニーズの根幹部分が突き詰められていないこと」が致命的な見落としであり、根本問題なのです。

お客様は、当店に何を期待しているのだろうか?

当店は、お客様としてどのような人を想定しているのか?

 

そのお客様が、このサロンに何を期待しているのか?

 

私たちは、その問いに、真剣に答えを出していかないといけません。

 

エステサロンにお客様が期待するのは、一般に「自分を最高に美しくする場所」であり、「非日常的な美しい空間でリラックスする場所」ですね。

 

それに加え、予算をベースにした期待値もあります。

 

美容院なら1時間あたり5~6千円の支出ですが、エステなら1時間あたり8千円前後かかるのが相場です。

 

そうすると、お客様は暗黙のうちに、「美容院よりも、素敵な私になれる場所」「美容院よりも素敵な場所」を期待します。

 

インテリアは、美容院よりも、あぁ、美しいなぁとか、リラックスできるなぁと思わせるようなものである必要があります。そして、トイレは当然、あぁ、うちと違ってここは素敵なトイレだなぁ、、、と思わせなければならない。

 

そして、スリッパは「うちにあるようなスリッパ」、ましてや「うちにあるよりも劣ったスリッパ」を出してはいけない。

 

その「お客様の期待値」と「スリッパの実態」に乖離があることが問題なのですね。

サービスメニュー構成はどうか?

「サービスメニュー」「メニュー表」を考えるときも同じことなのです。

 メニューは、美しくなる自分をイメージできるようなものである必要があります。

 

でも、エステサロンもネイルサロンもマッサージ業も美容室も、、、サービス業は、「何となく」「同業者と似たようなメニュー」を「見よう見まねで作ってみる」とういうのが、もっともよくあるパターン。

 

でも、そうすると、サービスメニュー構成は、お客様の期待値を考慮しない、つまり、お客様が欲しいと思わない内容になってしまっていることが多いのです。「お客様の期待値」と「サービスメニュー」にズレが生じているのですね。

 

本来は、メニュー表を見ながら、お客様に「あれもほしい」「これもほしい」と思わせるのが理想的なのですが、「お客様の期待値」からズレていると、「ここに私のほしいものはない」と思わせる結果になります。

 

さらには、お客様に意味が通じない、それどころか、お客様をいら立たせる、そんなサービスメニューもありますね。

 

「お客様の期待値」が分かっていないと、お客様が皆さんのサービスメニューに魅力を感じないのは当然のことながら、違和感を感じたり、不快感を感じたりすることになるわけです。

 

そして、わざわざお金を払って行くまでもない店...と判断されてしまうことに...

 

たかがスリッパと侮るなかれ。

スリッパ ― それは、どれほどお客様の感覚を理解しているかを表す、シンボルみたいなものなのですよ。 

 

...というようなお話をしたところ、オーナーさんには「それは自分では絶対に気付けなかった。指摘してくださってありがとうございます。」と言っていただけました。もちろん、サービスメニューも、「あれもほしい」「これもほしい」というような内容に刷新できそうです。

 

さて。

 

お客様はあなたの店に、何を期待しているのでしょう?

 

あなたのお店は、それに応えることができていますか?