Vol.30 新しいことを学んで成長する会社、学べずに停滞する会社の違い

「モトさん、うちの社員がモトさんのメニュー構成手法を習得できるかどうか、一回話してみて、見極めていただけませんか?」

 

先日、当社のセミナーを受けられた経営者の方が、相談の場でそんなことをおっしゃいました。

 

“メニュー構成を刷新して企業の成長をめざす”という、新しいやり方を役員や店長が実践できるかどうか、やる気や能力を見極めてほしい、とのこと。

 

なんでも、過去に大手のコンサルティング会社が主催する業界向けのセミナーに役員と社員を行かせたけれど、モノにならなかったから、ということでした。

 

いいですよ。一度お会いして、皆さんとお話ししてみましょう。

その方々の聞く姿勢を見れば、意欲や資質はだいたい判断できます。

 

...とお答えしたものの、気になる点が一つ。 

社長の学びの資質とは?

そもそも、この新しい考え方を会社に導入しようとする、「社長の」意欲・資質こそ、どうなっているのかな、という点です。

 

店舗の運営では、社長が現場の全てを取り仕切るわけではないので、かなりの程度、現場の人たちや担当役員に現場の取り組みが任されるのは仕方ないことです。

 

だとしても、新しい技術を現場に取り入れていくことは、片手間にできることではありません。

 

「社員の意欲・能力・資質」だけにまかせていたら、いつまでたっても新しい学びはないし、当然、新しい事業展開、つまり、社員の工夫によって売上が今以上に上がったり、利益が増えたりすることは、起こりえないと考えてよいでしょう。

 

そうすると、社長に必要なことは、

社員の「意欲・能力・資質」だけにまかせずに、何としても新しい何かを社内に導入する

という社長の心意気や体制づくりスキルの方なのです。

新しい取り組みのために、全面的なバックアップ体制を作れるか?

これは、「社内の人間が、仕事で英語を使えるようにする」ことを考えてみればわかります。

 例えば、今後の会社のビジネス展開のために、社員に英語を話せるようにしたいと考える。海外との取引を広げなければ、自社が生き残れないと社長が判断したからです。

 

この時、当然社員側の意欲・能力・資質も重要ですが、同じくらい、英語を習得させるための教育体系、評価制度、褒賞制度、学習時間を確保するためのシフトの変更、英語を使って仕事をするプロジェクトの立ち上げなど、会社としての実施体制準備が欠かせません。

 

そして、このとき「これからは英語を話せるようになることが絶対に必要だ。そうではないと、海外展開ができず、当社は国際競争に負けてしまう!」という、経営者の危機感や戦略が必須であり、その思い・その考えが社員に浸透していることが、何よりも重要です。

 

新しい取り組みは、社長が描く大きなビジョン、新しく明るい未来に向かって、組織側と社員側の両方が、徹底的にやってこそ現場に定着するものです。場合によっては、意欲と同時に、コストも時間もかかることを覚悟した方がよいでしょう。 

「会社の未来」のために何としても必要なことかどうか?

皆さんの会社が、人材に対して世間並みの給与を払っているとしたら、スタッフの意欲・資質も「世間並み」だと思ってよいでしょう。

 

中には、自腹ででも新しいことを学び、自分自身を成長させ、会社に大きく貢献したいと考える稀有な人もいるかもしれませんが、多くの人は、与えられた教育を仕事の合間に消化するので精一杯です。

 

社員の意欲・資質・能力が低かった場合、社長はどうするのか?

社員の意欲・資質に任せて、彼らが会社に必要な技術や知識を取り込むことがなかったら、会社は5年後、10年後、おそらく停滞してしまうでしょう。そのリスクをどう乗り越えようとしているのか?

 

それでもなお、経営者として、会社に必要だと思うことは何なのか?

そのことはぜひ、考えていただきたいのです。

 

新たな取り組みは、経営者の盤石な意思の上で、花開く。

 

みなさんは、会社をこれからどうしたいとお考えなのでしょう?

そして、それを実現するために、何が必要だと考えているのでしょうか?