Vol.31「名品」主体の商品構成をどう売るか?

隠れた「名品」を売りたい..

「モトさん、新しいビジネスでこんなことをやろうとしているんですが、こんなの儲かると思いますか?」

 

こういう仕事をしていると、しょっちゅうこの手の質問をいただきます。今回は、今週、ご相談に来られた経営者の方からいただいたご質問。

 

お話を聞いてみると、ご自身の出身地である、東京から遠く離れた「〇〇地方」の「隠れた名品」を紹介して物販するECサイトを作りたいとのこと。ライターが現地に取材に行って、その名品を作った人や作る工程も詳しく紹介し、「〇〇地方」のファンを作っていきたいと。

 

私の答えは、即答で「あー、それは儲からないと思います。地域のためにボランティアでやるならいいですが。」なぜなら... 

商品構成の「軸」はお客様であるべき

まずは、商品構成の軸が「〇〇地方」という地理的な切り口になっていること。これが問題です。消費者の生活になじまないから。

 

よく売れる店や会社は、お客様にとっての「必要性」を軸に商品構成を組んでいます。言い換えると、お客様にとっての「必要性が高い商品構成」を作っているのですね。

 

これが、「〇〇地方」を軸に商品構成を組むと、必要性よりも、珍しさ・希少性・趣味性を売っていることになるのです。いわば、とにかく「〇〇地方」が好き、という「趣味」を持つ人向けに売ることになるわけですね。

 

価格も巷にあるものより相対的に高くなってくるでしょう。(=買う人は相対的に少なくなる)

 

「とにかく〇〇地方が好き」な人も「高くても買う」と言う人も、いることはいるでしょうが...

顧客の日常から離れるほど集客が大変

このパターン、何が一番大変か?

 

とにかくまず、来店する客数を集めるのが大変です。

 

これがリアルの店舗なら、都心の一等地に店を出さないと十分な客数を確保できないでしょう。(実際、地方自治体のアンテナショップは、有楽町、新橋、原宿、新宿などの都心の一等地で営業しています。三鷹や柏のような小~中規模都市では成り立たない業態なのです。)

 

ECサイトでいうなら、店舗の賃借料がかからない代わりに、100万人なり50万人なりの人に情報が届くほどの莫大な広告費を出して潜在顧客を集めないとまともな売上を創れない、ということになります。

 

顧客を集めたとしても、客単価1万円以下、粗利率15-20%程度の商品の販売で得られる粗利では、多大な広告費を賄えない、つまり、赤字になることを想定したほうが自然です。(これが、単価10万円で粗利率70%の高級化粧品、といった商品なら、採算が取れる可能性も出てきますが。)

「名品」だから売れるわけではない

わかって戴きたいのは、「いいもの」「名品」だから売れるわけではないということ。

 

手間ひまかけて、「いいもの」「名品」の良さを熱心に伝えたところで、「商品構成やサービスメニューの軸」が「顧客の日常」になじまなければ、結局は売れないのです。

 

逆にいえば、「商品構成やサービスメニューの軸」が「顧客の日常」になじんでいればいるほど、売れる可能性が高くなります。

 

例えば、「〇〇地方の名品」も、「〇〇地方発!あなたのティータイムをより素敵にする名品の数々」というようなくくりで、自宅でティータイムを楽しむ人向けに商品を構成していけば、客数も、客単価も、リピート率もあがりやすいでしょう。(バスタイムでも、晩酌タイム、でもいいのですが、とにかく顧客の暮らしになじませることです。)

 

さて、あなたの会社の商品・サービスは、何を「軸」にして、商品構成やサービスメニューを作っているでしょうか?そして、それは、客数や客単価、リピート率が上がるように仕組まれたものになっているでしょうか?