Vol.32 赤字事業の商品構成・サービスメニューをどうするか?

「モトさん、実は、今やっている事業が赤字なんですよ。こういう時、商品構成をどうしたらいいですか?」

 

「売り方よりも商品構成やサービスメニューの方が大事だ」と主張する私に興味を持たれて、先日ご相談に見えた経営者の方です。

 

数年前から事業が赤字に転落している。以前は景気よく売れて黒字だったのに、最近客数がみるみる減っている。どう挽回したらいいものか、もうこの事業をやめるべきか、迷っている。

 

がんばったら回復するような気もするけど、確信がない。だから、ぜひモトさんの意見を聞きたい、とのこと。

 

こういうご相談を受けるとき、本当に私に相談してくれてよかったな、と思います。

 

なぜなら、この状況に対して、私はまともなアドバイスができる、と自負しているから。(後述しますが、“まとも”じゃないのは、ここでコストをかけて売上UPをめざしましょう!というアドバイスです。)

まずは、出血を止めること。

事業が赤字であることを、「出血している」と言ったりします。まずは、赤字の事業は「出血している状況」なのだと理解しましょう。

 

もし人間だったら、出血している時どうするか?

 

血を止めますよね?

 

これと同じです。

 

赤字の場合、「まずは出血を止めないといけない」。現状の売上で何とか利益が出るように、オペレーションを見直して作業量を減らし人件費を減らし、お金を払う先と交渉してコストを減らし、なんとか利益を出す方策を練ります。

 

なぜ?「利益」を出すには「売上を上げる」か「コストを下げる」かどっちか(あるいは両方)しないといけないのですが、「コストを下げる」方が確実だからです。

 

確実性の高いことから手を打つ

逆に、売上を上げるのは不確実です。

 

お客さんの嗜好が徐々に変わっていくかもしれない、競合が突然大手に吸収されて、ある時点から鬼のように広告を打ってくるかもしれない。

 

そういう、自分たちではコントロールしようがない理由で、売上は左右されてしまいます。つまり、売上UPを狙うことには、常に失敗の可能性があるわけです。(だから、ユニクロの柳井さんや、ソフトバンクの孫さんのような一流の経営者でさえも、新規事業で失敗するのです。)

 

商品構成・サービスメニューを刷新すれば売上が上がるかもしれない、

営業を強化したり、広告宣伝を強化すれば、当然売上が上がるかもしれない。

 

しかし、そこには時間もお金もかかってきますし、その間に出血が広がるかもしれない。だったら今、確実に止血しておくのです。そして、落ち着いて作戦を練り直す。

 

なんだ、劇的に売上を上げる策はないのか、とつまらなく聞こえるかもしれません。

 

でも、このあたりを理解しておくことが、今後長く成長してくために絶対に重要なことです。(JALや日産の企業再生でも、同じように「止血」つまり「コスト削減」がスタートでした。「確実性が高い策」が何より優先されるのは、大企業でも中小企業でも全く同じです。)

 

色々考えて、調べて、試して、それでも、どうもコストが下げもないのなら、その事業をやめてしまう、という決断も重要です。

再び成長するための、商品構成・サービスメニュー

さて、止血ができたとしたら、売上を上げるための商品構成・サービスメニューを戦略的に考えましょう。

 

そもそも、なぜ売上が下がってきたのか?なぜ赤字になってしまったのか?まずは、原因を把握するところからです。

 

今回の場合は「客数が減ってきた」とのことですので、一度来たお客様がリピートしていない、という可能性が最も大きいですね。

 

なぜリピートしてくれないのでしょうか?現場に行って調べて考えてみてください。

 

よくあるのは、顧客を競合に取られているケース。

または、お客様が商品や価格に不満(まずい、品揃えが悪い、高すぎ、等)なのかも。

あるいは、結婚式やお葬式のように、リピートする必要性がない商品やサービスを売っているとか。

そもそも、和菓子や畳のように、その商品やサービスにニーズがなくなってきている?等々..

 

原因を特定したら、それの原因を払しょくできる、自然に売上を作れる商品構成やメニューを作っていけばよいのです。

強い商品構成・サービスメニューが黒字の源泉

強い商品構成・サービスメニューを持つことが、最も事業を強くする、黒字を作る源泉となります。

 

商品構成・サービスメニューを刷新して成長をめざすことは、ある意味「勝負」です。

 

100%の成功の保証はない。失敗の可能性もある。でも、今やっていることをだらだら続けるよりは、高い成長を望むことができる。その可能性に、私たちは賭けていくわけですね。

 

しかし、「イチかバチか」にしてはいけません。それは単なるギャンブルです。

ギャンブルは、調査や思考や計画の怠慢です。

 

読めない可能性を、50%、70%へと高めていきましょう。そして、たとえ30%の失敗の可能性があったとしてもちゃんと生き延びていけるように(出血を最小限にできるように)準備しておくことが大事です。

商品構成・サービスメニューが、真に事業を強くする

繰り返しますが、「強い商品構成・サービスメニュー」を持つことが、最も事業を強くする、黒字を作る源泉となります。なぜなら、「強い商品構成・サービスメニュー」は

 

・お客様の不満(まずい、品揃えが悪い、高い、等)を解消する

・顧客を競合に取られることなく、増やしていくことができる

・新しい市場を開拓していくことができる

 

・さらに、リピートを増やしていくことができる。

 

...ということが可能だから。最も楽しい可能性に満ちたチャレンジになるはずです。

 

さて。

 

あなたは、黒字を作れる強い商品構成・サービスメニューを持っているでしょうか?