Vol.35 開店から3か月で客数が減るのはなぜか?その傾向と対策

3か月目で売上が落ちてきた...というお悩み

「モトさん、この店、開店したばかりの頃は売上がよかったんですけど、3か月目くらいから売上が下がってきたんですよ。もうすぐ1年なんですが、まだ下がっているんです。うちの商品はおいしいと思うのになぁ。」

 

今週、そんなご相談をいただきました。

食品系の物販をされている経営者の方です。

 

本業でやっている別のご商売は堅調だけど、新規事業として昨年始めたこの商売がなかなか軌道に乗らない。

商品のクオリティの良さを生かしてV字回復を狙いたいと、ご相談にお見えになりました。

 

店舗の状況をお聞きすると立地条件は十分。地域の中でも最も買い物客の多い立地です。

 

しかし、肝心の数字をみてみると、1日あたりの客数が、開店時よりも3割ほど減少している。

客単価は2割ほど下がっています。

 

さて、これをどう見ていくか?

「客数」と「客単価」、どちらが重要か?

「売上」は「客数」と「客単価」に分解できますが、

客単価が減ってくるよりも、客数が減ってくることの方が、事態は深刻です。

 

なぜ?

 

「客単価」の方が下がっている状態は少なくとも、ある程度のお客様が、少なくともお店には来てくれている。

 

一方で「客数」の方が減っている状態は、そもそもお客さんが店に来なくなっている、ということ。

 

いい商品があっても、売り込みようもないですよね、まず、お客様が来てくれないことには。 

 

これが原因不明のまま放置されると、お客様がどんどん減少して、お店が立ち行かなくなってしまうのです。

 

だから、緊急に対応をしたいのは「客数減少」への対策です。

 

まずは、原因の分析から。 

 

さて。

 

いったいなぜ、3か月目で客数が減少したのでしょう?

なぜ客数が減少したのか

客数が減少するケースの典型例は、グラフにするとこんな感じですね。

1か月目は、新規オープン店への好奇心や開店セールなどで新規のお客様がたくさんいらっしゃった。

 

2か月目は、1か月目ほどではなくても新規のお客様は多い。

 

けれど、3か月目に入って、その店の商圏内で認知度が上がって新規のお客様が徐々に少なくなってきたころに、最初の頃に来たお客様が、期待していたほどリピートをしてくれなかった。

 

...典型的には、こういうことが起こります。

 

商圏が狭い地元客向けのお店だと、早々に新規のお客さまが尽きてきます。この時、リピート客数の伸びが悪いと、トータルで客数が減ってくるわけです。

 

よく、飲食店が1年持たずに閉店してしまう、というのを皆さんもよく見ることでしょう。それはこういった背景があります。

 

洋菓子店・惣菜店・弁当屋・メロンパン屋など、食品系のお店で日常的に起こっているパターンです。

開店から3か月以降も客数が増えるケース

一方で、3か月経っても客数が増え続けるケースでは、客数はこんな感じになります。

同じ商圏だとしても、よいお店は口コミが広がって新規客の減少が緩やかですね。

さらに、リピート客数も多く、全体として客数が伸びていきます。

客数を増やす対策(よくあるパターン)

さて、冒頭のお店の話に戻りましょう。

 

商品のクオリティには問題なかったはずなのに、なぜリピートしてくれないのか?

 

逆に言うと、何をしたらリピートしてくれるのか、突き詰めて考える必要があります。

 

リピート買いのためによく使われるのが「ポイントカード」や「スタンプカード」です。買えば買うほどお客様を優遇する「FSP(Frequent Shoppers Program)」というものもありますね。でもこれらはあくまでも、販売技術です。

 

販売技術があるに越したことはない。でも、その前に重要なのが、価格帯も含めた商品構成・サービス構成です。

 

なぜ?

 

商品構成・サービスメニューと価格が、その事業の「核」だからです。一番重要な部分です。

お客様は販売技術に”釣られて”何かを買ってくれるかもしれない。

けれど、あなたのお店・会社の商品やサービスにほれ込んでくれた人が、最も根付いてくれるお客様なのです。そういう人を一人でも多く作るには、販売技術ではなく、商品構成やサービスメニューを磨くのが王道なのです。

客数を増やす対策(正解編)

だからぜひ、「商品構成とサービス構成が、リピ―トに値するものなのか」考えましょう。

 

 ●そもそも、その店に並んでいる商品・サービスがリピート利用するような性格のものか?

 

 あるいは、その店に並んでいる商品・サービスがリピート利用されるか価格帯になっているのか? 

 

 それから、商品・サービスの中に、お客様に「ハマって」いただく要素が入っているか?ないのなら、新たに入れられないか?

 

それらの全てを検討し、具体策を作り、試行錯誤し、商品でリピートを増やせるようになったうえで、次に販売テクニックを磨きます。

 

また来週も、来月も、次のシーズンも来たくなるような仕掛けを作れないか?

スタンプカードやポイントカードもありか、、、というように。

 

この「商品構成・サービス構成」と「販売テクニック」の順番を間違うと、たとえ一時的に売上が伸びても、一過性のものになってしまいます。

 

力強く客数を上げるには、お客様の期待に応えるような、お客様を夢中にさせるような、商品構成・サービスメニューを作り上げていく必要があることを、ぜひ覚えておいてください。

本来の良さが伝わる、魅力的な商品構成・サービスメニューを。

 ...冒頭のお店では、そうやって、こちらから切り口を提供し、社長と現場の方も含めて意見を出し合ううちに、明るい方向性が見えてきました。

 

本気でやれば、V字回復は数か月うちに実現するでしょう。

 

さて。

 

みなさんの事業では、客数が減っている原因を分析して、対策を立てていますか?

 

お客様が「もう一度行きたい」「2度も3度でも行きたい買いたい」と思うような商品構成・サービスメニューを作ることができていますか?

 

みなさんの商品やサービスが持っている本来の良さが十分お客様に伝わるような、魅力的な商品構成になっているでしょうか?


●コラムの更新をお知らせします(毎週木曜日)

本 由美子 もと ゆみこ

㈱Sente 代表取締役

代表コンサルタント

 



●好評セミナー開催中!

 抜本的にビジネスを見直す、商品構成・サービスメニューの刷新。具体的にどう判断し、どう行動していけばいいのかを分かりやすく解説する実務セミナー。「当社の転換のきっかけになりました!」とご好評いただいています。 詳細→ こちらを参照