Vol.38 ターゲットの絞り込みで見落としてはいけない観点

あちらを立てればこちらが立たず、というお悩み

「モトさん、いま、うちは子ども連れのお客様向けにメニューを強化して作っているんですよ。でもそうすると、子ども嫌いの人とか静かに過ごしたい人は来なくなっちゃいますよね。これってどう思いますか?」

 

美容院を5店舗を経営されるオーナーさんからのご相談です。会社の成長をもっと加速させるために、戦略を変えていきたいというご相談でした。

 

このお悩み、レストランや整体など、若い主婦層をターゲットにする業態ではよくあるお悩みですね。

 

二者択一と言えば、他にも「若い人向けの店にしていきたいけど、年配の人はいやがるでしょうねぇ」とか、「猫好きなのを狙った店にしたいけど、そうすると、猫が嫌いな人はこないですよね...」とか、そういういったケースも過去にありました。

 

似たような問題は、小売業であれ、サービス業であれ、発生します。

二者択一の苦しさを放置すると、成長できない

「ターゲットA」を狙う時、今まで来ていた「ターゲットB」が来なくなってしまう、という懸念、不安、もどかしさ...できるだけ広いターゲットを取りたいけれど、AとBは、うちの資金力・人材・設備では両立できないターゲット。だったら、どちらかを選ばないといけない場面は必ず出てくる。

 

どちらかを選ばなかったとすると、選ばなかった方のお客様の来店、お買い上げが減ってしまうのではないか...そういう、不安、もどかしさを感じます。

 

危険なのは、その不安・もどかしさを解消するために、AもBも取ろうとすること。

AなのかBなのか、決めずに、あやふやなまま、現状を放置すること。

 

いま、このままの状況に満足しているのなら現状を放置していてもかまわないのですが、売上をグンと伸ばしたい、とか、右肩上がりに成長したい、という希望を持っているとしたら、何かを大きく変えていく必要があります。そして、その「何か」は、多くのケースで「ターゲット」です。

 

 

やはり、Aなのか、Bなのかを決める必要はあるのです。

不安や迷いの中身は、いったい何なのか?

そう、この迷いや不安は、どうにかしないといけません。

どちらかを選ぶとき、どちらかを捨てるときに、必ず出てくる迷いや不安。

 

そもそも、

その「不安」って何なのでしょうか?

その「迷い」って何なのでしょうか?

 

突き詰めると、それは「売上」の問題、つまり、数字の問題です。

 

売上が下がったらどうしよう...

 

売上が伸びなかったらどうしよう...

 

「売上減少」「客数」という「化け物」が、「不安」としてモヤモヤと心の中で渦巻いているのですね。

 

さあ、この迷いや不安をどう軽減するか?

 

不安を解決する最強の道具

迷いや不安を払しょくするための最強の道具、それは、やっぱり「数字」です。

 

「数学」ではないですよ。単なる「数字」です。

足し算、引き算、割り算、掛け算レベルの「算数」で十分です。

 

当社では、企業がもっと成長できるよう、商品構成やサービスメニューを刷新するお手伝いをしていますが、できるだけ数字を使って考えます。売れる品ぞろえや売れるメニューは、勘や感覚で作られるものではありません。根拠となる膨大な数字があってこそ、勝負できるのです。

 

淡々と、客観的に事実を見て判断するのに、「数字」はとても良い道具です。

 

不安の中身を、見ないのではなく、あいまいに見るのでもなく、悲観的に見るのでもなく、かといって、楽観的に見るのでもありません。

 

AかBかを迷ったら、Bだったらいくら売上が下がりうるのか、Aだったらいくら売上が伸びうるのか、数字にしてみることです。

 

Aだったら、1年後、3年後、5年後、どんなことが起こりうるか。客数・客単価・売上、人件費、家賃、広告宣伝費、資金調達面、投資の回収面でどうなりうるか、数字にしてみる。

 

楽観的に考えると、数字はどうなるか?今度は、悲観的に考えてみたら、数字はどうなるか?では、Bだったらどうなるのか?

 

 

そういった試算をすると、1分の暗算で解決する場合もあるし、30分の表計算で解決することもあります。

「敵」が見えると、成長できる

AかBかを選ぶときに、経営者が感じる不安は、つまり、漠然とした不安、見えない不安、であることがほとんどです。でも、数値にしてみると(場合によってはグラフや表にしてみると)その不安は、「数」というカタチで「見える敵」として目の前に現れます。

 

そうすると、じゃあ、どうしたらいいかと、対策も具体的に出てくるものです。

 

不安で前に進めないでいるとき、一歩コマを前に進めたければ、数字にしてみることを忘れないでくださいね。

 

さて。

 

皆さんはターゲットの選択で悩んで、成長を止めてはいないでしょうか。

会社の成長を加速させるための判断、会社を伸ばす選択が、できていますか?


●コラムの更新をお知らせします(毎週木曜日)

本 由美子 もと ゆみこ

㈱Sente 代表取締役

代表コンサルタント

 



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