Vol.39 競合店調査を確実に自社の売上UPにつなげるために欠かせない視点とは

従業員の「競合店調査」が何の役にも立っていなかった...

「モトさん、私はウカツでした。従業員に競合店調査に行かせていたんですけど、ヨソから何も学んでないっていうのが分かりました。」

 

今週お聞きした、とあるサービス業の店舗を展開する企業の専務さんのお言葉です。

 

当社で他社(10社)の調査を行い、他社の優れている点、他社から学べる点、当社が他社に勝てる点、当社が強化できる点、売上が上がる可能性などをご提案した際に上記のようなことをおっしゃったのでした。

 

昔は、自分や社長が直接、近隣の競合店や都心の大手チェーン店に行ってリサーチし、他社の良いところを自社のサービスの中に取りこんでいたけれど、最近は従業員にまかせきりにしていた。競合店に行ってレポートを書いた従業員には報奨金を与えていたけれど、レポートに「当社が改善すべき点」「当社が学べる点」などが書かれていることは過去「皆無」であった。だから、他社は大したことないのだと錯覚していた、とのこと。

「なんとなく調査した気になる」に要注意

 こちらの企業さんは、競合調査をしているだけ、まだ素晴らしいといえます。(他店を見ようともしない経営者もいますからね。)

 

しかし、「なんとなく」やっても、自社の売上につながらないのが、競合店調査の難しいところ。

 

小売店なら、フラ~っと店に入ってお客さんのふりをして、お店に入り、内装やら商品やらを「見れ」ば、なんとなく調査した気になるものです。

 

サービス業、例えば学習塾なり、美容室なり、エステなり、クリーニングなどでも、お店に行って、お客様のふりをして、相手のサービスの内容や接客などを見たり、体験したりして、それで、なんとなく調査した気になる。

 

しかし、「調査の観点」や「調査の技術」を持たない人が競合店に行っても、持ち帰ることができるものはごくわずかです。

 

小売の場合、例えば、何十から何百という数になる商品や価格を記録したり、売場のレイアウトや展示・陳列、ポスターやPOPの使い方、客層、客数、客単価等を、店舗を一巡か二巡する間に把握する必要があります。

 

サービス業の場合には、どのようなメニューを持ち、どのような販売フローを持ち、どのような応酬話法を使って顧客の心を掴んでいるのか、短時間でできるだけ正確に把握する必要があります。

 

チェーン店の本部の人や店長クラスは、「調査の観点」「調査の技術」を持ってこういった調査をやっていますが、中小企業の店舗でこれをやるのはなかなか難しいですね...

商品・サービスの良しあしの問題ではない

さらに競合店調査を「無意味」にしてしまうのが「業界人の視点」と「プライド」です。

 

普段、お店の内側にいる人(経営者をはじめとして、販売担当、施術担当、仕入れ担当等)は、まさに「その業界の人」です。

 

その業界の知識を豊富に持ち、販売している商品やサービス、使っている材料や機械については、とても詳しい。

 

でも、「その業界に詳しい視点」で他店を見ると、他店と自社の違いがあんまり分からない。

 

なぜかというと、売っている単品、使っている材料、使用している機械、サービスの内容、などは、実はどこもあまり変わらないから。

 

困ったケースだと、「うちの商品の方がいい」「うちの方がサービスはいい」と、他店を軽視することも多々あり..

 

そもそも人間は、わたくしを含めて、「自分たちは優れている(少なくとも劣ってはいない)」と思いたい生き物ですからね。プロとしてのプライドがあるわけです。

 

ケーキ屋の経営者が他店を見ると、だいたい「うちのケーキのほうがうまい」とおっしゃいます。(和菓子屋、パン屋、飲食店なども同様)

 

美容室の経営者が他店を見ると、おもしろいほどみんな、「うちのカットの方がうまいと思う」とおっしゃいますね。(マッサージ、エステ、塾、工務店、畳屋、フラワーアレンジメント教室、なども同様のリアクションです。あ、私たちのような経営コンサルタントも同じですね、ハイ。)

 

でも、「自分たちが優れている」という結論ありきで他店を見ても、学べるはずのものも学べません。

顧客の視点で店を見る

このコラムで繰り返しお伝えしているのですが、お客様は、「商品・サービスのクオリティのよしあし」でお店を決定しているわけではありません。

 

だって、特に新規のお客様は、あなたのお店の商品・サービスの品質を知らずに買うわけですから。

 

「クオリティのよしあし」は、リピート率を上げるためには必要な要素です。でも、より重要なのは、商品構成(品揃え)・サービス構成(サービスメニュー)、価格構成です。もう、間違いなく。

 

誰に向けて、何を売っているか?いくらで売っているか?どう売っているか?

お客様は、なぜうちではなくて、向こうの店で買うのか?

 

その観点が最も重要です。つまり、「業界の人の視点」ではなく、「顧客の視点」がより大事なんです。

売れている店からは、必ず学べるところがある

そして、自社よりも店舗数が圧倒的に多い店、自社よりも明らかに売上が高い店は、顧客の視点から見て、あなたの店よりも、確実に優れたところがあると思ってよいでしょう。

 

そうして、顧客の目で見た時に、自社が学べる点、自社が勝てる点などが見えてくるわけです。その結果を、店舗コンセプトや、品揃え戦略や、サービスメニューや、販売方法に取り入れることができれば、あなたのお店の売上は、グンと伸びていきます。

 

当社では、商品構成・品揃え・サービスメニューを刷新するところから、店舗の売上UPを目指すお手伝いをしていますが、最重視するのは、やっぱり「顧客の視点」です。「業界の視点」になりがちな経営者に違う視点、つまり「お客様から見えること」をお伝えしていくことで、お店は格段に良くなっていきます。

 

さて。

 

皆さんの会社でも、”競合店調査”を行っているかもしれません。

 

商品のクオリティだけ見て、あの店はたいしたことない、なんて思ったりしていませんか?

 

お客様の視点で、他社から学べる点を学び、確実に自社が成長できるような商品構成・サービスメニューを作ることができていますか?


●コラムの更新をお知らせします(毎週木曜日)

本 由美子 もと ゆみこ

㈱Sente 代表取締役

代表コンサルタント

 



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