Vol.40 あなたの店が「AI」の恩恵受けるために、いま何をすべきか

「うちにもAIは関係ありますか?」

「モトさん、うちみたいな店でもAIって関係あると思います?」

 

先月、小売業を5店舗営む社長とお話ししているときに出たご質問です。

 

ものすごく関係あると思いますよ。」

 

と、私。

  

今でさえ人材不足が問題になっている状況。10年後、AI搭載のロボットやマシンが、小売業やサービス業でも普及し、店頭や裏方で人に代わって仕事をしているのは間違いありません。

 

そして、企業・店舗の生き残りをかけて、戦略的に積極的な情報収集をすべくAIを採用する企業は増加していることでしょう。

  

すでに、大手飲食チェーンや不動産販売チェーン店の店頭で、ソフトバンクグループの企業が開発した「ペッパーくん」をたびたび見かけます。「いらっしゃいませ!どのようなご用件ですか?」とさわやかな声で尋ね、受付や、簡単な検索くらいの用事には対応してくれています。

 

これが10年後、いったいどうなるか。

ロボットの接客が「普通」になる10年後

単純に考えても、いまの”ペッパーくん”にセルフレジの機能が載り、顔認証・虹彩認証の機能が載り、POSの情報、顧客データベースとつながり、ディープラーニングの機能が載る、ことは容易に想像できます。

 

例えば、スーパーの店頭で...

 

お客さんを見かけるや、ペッパーくん(のようなロボットが)「あ、山本さん、お久しぶりです。今日は何をお探しですか?」と近づく。

 

「え?晩ご飯の献立何がいいかって?だったら、ぶりの照り焼きはいかがですか?ご主人はお魚が好きでしたよね?」と商品を提案し、山本さんは「あら、それはいいね、それにしようかな。」と、ペッパーくんが提案した商品をご購入。

 

ペッパーくんが買い物かごの中に向けて赤い光を放ち、カゴを一瞥するだけで、山本さんの購入商品と購入価格が把握され、クレジットカードでの引き落としが完了し、会計は終了。

 

山本さんは、レジに並ぶことも財布も開けることなく「ありがとう♪」と袋詰めだけして帰る、...という光景が見られるようになるのではないか?(amazonとコンビニの進化で食品スーパーが消滅している可能性もあるわけですが。)

 

3年後、愛嬌のある、しかも抜群に頭のいい、気の利くロボットに惹かれてお客様が列をなすであろう、というのは、容易に想像できます。(いま、”変なホテル”が話題になっているように。)

 

しかし、10年たてば、その「気の利くロボット」はもはや「人寄せパンダ」ではなく、日常の光景になっていることでしょう。

 

バックヤードでも、AIの機能を持つ端末が、在庫の管理、商品構成の最適化、販売価格の最適化、ライバル店の動向チェック、時流のチェック、新商品のアイデア等、あらゆるデータを迅速に処理し、かなりの打率で経営に役立つ良い情報をするようになっている、と想像します。例えば、いまここまでカーナビや乗換案内が普及しているように。

 

10年後、AIを積極的に導入している企業は、その先の10年も売上も伸び利益も出せるでしょう。

 

では10年後、こんなAIを導入して成功する企業・店舗はどういうところなのか

 

また、周囲でAI導入が進んでいる中で、何の恩恵も受けない企業・店舗はどういうところのなのか

10年後、AIの恩恵を「受けない」企業・店舗

まず、「将来、AIの恩恵を何も受けない企業・店舗」は、中小企業が過去たどってきた道を振り返れば分かります。

 

当社では「商品構成」「品揃え」「サービスメニュー」を刷新するコンサルティングを行い、売上を抜本的に伸ばすお手伝いを行ってきました。

 

その中で欠かせないのは情報収集。自社の商品情報、販売情報、他社情報、顧客の情報。あらゆる情報を整理したうえで、戦略的に自社が取るべきポジションや品揃えやサービスを考えていく必要があるのです。

 

 

ですので、経営者がどれほど情報を活用しているか、どうやって情報を収集・整理・分析するツールを活用しているか、長年観察してきました。

 

まずパソコンが普及し始めた25年前。「会社の会計情報、売上情報、顧客情報、色々なデータを使って経営を改善できる!」という触れ込みに乗って、「Windows」を買ったはいいが、事務所の隅でホコリをかぶったまま、何の計算もさせずに放置している経営者が相当数いました。

 

そして、インターネットやホームページが普及し始めた20年前。「世界中とつながり、世界中からお客があなたの店のものを買いにくる!」、という華やかなうたい文句に乗って、パソコンをネットワークにつなげてホームページを開設してみたものの、いまだに世界中どころか、地元にさえも情報発信せず、何の恩恵も受けていない経営者のなんと多いことか。

最新技術を導入したから売上が伸びる、わけではない

そう、もうお分かりだと思いますが、「最新技術を導入したらお客様が増える」とか「最新技術を導入したら生産性が上がる」ということは、まずない

 

PCの活用で成功したのは、PCの導入以前から十分に顧客情報を集めて管理をしていたけれど、さらに早く・多くの顧客情報を整理したり活用したりしたいと願う経営者でした。

 

また、インターネットやホームページの導入で成功したのは、導入以前から十分に販路の拡大、違う顧客への売り込みを果敢に試してきたけれど、もっと他の販路への売り込みにもチャレンジしたいと願っている経営者でした。

 

つまり、最新技術を導入したからいきなりその店や企業の売上が伸びたわけではない。

 

「いまの水準の情報技術を十分に活用しようとする元々の経営姿勢」があり、さらに、その状況に最新の技術が載ることによってその経営がさらによくなる、という好循環の構図が起こっていたのです。

将来、最新技術で恩恵を受ける経営者が今、何をしているか?

当然、今後AIがさらに進む中でも同じことが起こります。

 

まず、「いまの最新技術」に無関心でいる人は「将来の最新技術」から得られるものはないでしょう。関心を持ち、試行錯誤してこそ、成果が得られるものですから。いまスマホを持っていないと誇らしげに豪語する経営者がいれば、AI時代の脱落は間違いなしです。クラウドを試したこともない経営者も同様。

 

そして、あまり考えずに「何だかよさげな最新技術」に飛びつく経営者も、得られるものはほぼないでしょう。技術を使って成功するためには、関心を持ったうえで、「使いこなすための試行錯誤」を必ず乗り越えなければいけません。その試行錯誤の習慣がない、その試行錯誤を続ける訓練ができていない人は、「最新技術」を売上や利益という「成果」に変換できないからです。

 

10年後、AIを使いこなしている企業・店舗があるとすれば、その経営者は2018年の今、事務所のPCやクラウドを使ってより短時間で事務作業や経営判断をすることを悪戦苦闘しつつ楽しんでいることでしょう。

 

分からないことを人に聞きまくって自分のモノにしようとするか、自分でやることを早々に諦めて、代わりに技術に強い人材を採用し、育成していることでしょう。

 

FacebookやtwitterやInstagramとやらを、「いや若い人たちの使うものはおもしろいね」等と言いながら、自社の集客に使えないか熱心に研究し、失敗しながらも一定の成果を出していることでしょう。

 

何とかお客様の声を拾い、耳を澄ませ、目を凝らして新しいビジネスチャンスの種を探している、そんなことに日々取り組んでいるでしょう。

 

将来の技術が自社にとってどうなのか杞憂するよりも、いま、使いこなせていない情報技術を使い倒してみることの方が、よほど重要だと私は考えます。

 

お客様の暮らしやビジネスがどんどん変わっている中で、自分たちの商売のやり方、品揃え、サービスメニューが同じであっていいわけがない。それを分かって、新しい技術の導入、新しいノウハウの活用を繰り返して、少しづつ、でも確実に成長しているような経営者が、結局5年後、10年後も生き残るのだろうと思うのです。

 

さて。

 

みなさんの事業・店舗は、AIによって3年後、5年後、10年後どんな姿になっているでしょうか?

10年後も成長する企業であるために、生き残りをかけた新たな技術の導入、新たなノウハウの活用、商品構成・品揃え・メニュー作りができていますか?


●コラムの更新をお知らせします(毎週木曜日)

本 由美子 もと ゆみこ

㈱Sente 代表取締役

代表コンサルタント

 



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