Vol.45 中小企業経営者が「勝利」するために必要な思考回路

行き当たりばったり、の限界

「モトさん、うちは今まで結構行き当たりばったりできたんですけど、もう、これじゃアカンなというところまで来てます。」とおっしゃったのは、食品関連商品の製造販売業を営む社長。

 

かなりエネルギッシュな尊敬すべき方なのですが、事業そのものをしっかり見直す必要があると感じていらっしゃるとのこと。

 

中小企業にあって、成長企業にはないもの。それが「行き当たりばったり」や「成り行き任せ」です。

 

勘や嗅覚や偶然や人脈でビッグチャンスを捉えてしまう「幸運」な社長にお会いすることも、稀にあります。でも殆どのケースで、「行き当たりばったり」や「成り行き任せ」では、どうしても苦境を打破できないのです。

 

なぜなら、昔と違って今は、人口は減り、競合は増え、ネットが栄え、「従来通りの商売」はかなりハードルの高い変革が必要だから。意識的に、力を出して、現状を変えていく必要があるからです。

ビジネスは「スポーツ」のようなもの

当社では、クライアントの強みを最も生かせる「売れる品揃え」「売れるサービス」を作って会社を成長させるコンサルティングを行っています。

 

これまで、少なくとも300社の社長と経営戦略について話し、誰に売るべきか、何を売るべきか、どう売るべきか、その仕組みをどう作るべきかという戦略を一緒に立ててきました。

 

私がこの仕事をしていてつくづく感じるのは、ビジネスはスポーツに似ているということ。

 

ビジネス界にオリンピックがあるとすれば、トヨタは製造業の日本代表チーム。ユニクロはアパレルの、セブンイレブンは小売の、日本代表チームといえるでしょう。

 

あなたの会社がその地域で一番の店を持つなら、地区大会優勝チームを持っているようなもの。

 

まだ十分な知名度も売上もないのなら、ビジネスというスポーツで、どうやったら勝てるのか分からないでいる、新参のチーム・新参のプレーヤーなのかもしれません。

成り行きで勝てるチームの限界

「行き当たりばったり」や「成り行き任せ」で勝てるとしても、せいぜい町内会や職場対抗野球大会レベルどまりで終わるに違いありません。

 

今年の春の大会で優勝したとしても、ちょっと相手が本気になれば、秋の大会ではすぐにやられてしまうでしょう。でも、逆に、あなたのチームも本腰を入れれば当然勝ち進み、地区大会、市大会と進めるかもしれません。

 

ビジネスは、競合という敵と戦いながら、売上・利益という得点を増やしていくゲーム。

 

そこには社長という監督がいて、プレーをするスタッフたちがいる。勝つための作戦があり、勝つための技術があり、日々の試行錯誤と鍛錬と実戦とがあります。 

 

ビジネス=スポーツ、と捉えると、何をしなければならないかが見えてきます。

 

さて、「勝ち」、つまり売上UPや利益の増大を目指す皆さんは、まず何をすべきか? 

努力の前に「戦略」が必要

考えてみましょう。

 

今後、本気で勝ち続けたいアスリート、本気の監督ならどうするか?

 

今日から、毎晩素振り500回?

 

明日から、毎日スクワット300回?

 

もちろん、そういう日々の努力、基礎体力、技術の磨き上げも重要でしょう。

 

でも、本気のアスリートや本気の監督は、現状の分析と勝つための作戦作りから始めるでしょう。

 

強いチームほど、リサーチと戦略作りを欠かしません。

 

オリンピック、パラリンピック出場レベルのアスリートたちは、それこそ、”えげつない”といえるほどの執念で、自分たちがどのカテゴリーで出場すれば勝てるのか?相手の弱点はどこにあるのか、その弱点をどのように攻撃すれば自分たちが確実に得点できるのか?必死で考えます。 

 

自分たちがどんな場所でプレーしないといけないのか?その気候風土、地形、雰囲気、時間帯。重要な条件を洗い出して、内容を分析する。

 

そのうえで、日々の練習と実戦を積み上げていっているのですね。

 

素振りやスクワットをやるなら、勝てる戦略を練った後です。

行き当たりばったりでは勝てない

そう考えれば「行き当たりばったりの経営」がうまくいかないのは当然。

  

経営がスポーツに似ている、とはいいつつも、大きく異なる点が、経営は「体が資本」ではない点。当然、一般的な意味での「健康」は必要ですが、経営はスポーツと違って、人並外れた肉体や運動神経、それらを鍛え上げる鍛錬を必要とはしません。

 

だったら何が重要か?

 

それは、情報力、だと私は考えます。情報を集めて、分析し、的確に判断する。

体を鍛えることも重要ですが、そういう情報戦で戦い勝っていくことが、ビジネスの”肝”なのです。

 

リサーチして、分析して、勝てる戦略を立てて、その実現のために頑張る。

ターゲットを明確にして、品揃えやサービスを戦略に沿って組み立てる。

狙い通りに売れるように、狙い通りの利益が出るように、日々の鍛錬を積む。

うまくいかなければ、戦略を変更する。

 

「勝利」し続ける経営者は、行動力もさることながら、その前提として戦略的思考に優れています。

 

さて。

 

皆さんは、今やっていることが「勝ち」につながる、と確信できる作戦を持っているでしょうか?


●コラムの更新をお知らせします(毎週木曜日)

本 由美子 もと ゆみこ

㈱Sente 代表取締役

代表コンサルタント

 



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