Vol.47 中小企業経営者が身につけるべき「安売り」からの脱却法

つい、価格を安くしてしまう...というお悩み

(写真はイメージです)
(写真はイメージです)

「モトさん、それがうちの店の悪いところなんですよ。」

 

...とおっしゃったのは、某生活用品の製造・販売をする会社の社長。

 

直営店で、売れ筋の「ある商品」が、周辺店舗と同じ機能・同じクオリティであるにもかかわらず、3割ほど安くなっている。

 

原因を調べてみると、この会社には明確な価格のルールがなく、店長の裁量で価格を決めてよいことになっていました。それで社長と、どうすべきか、、、という話に...

 

「それがうちの会社の悪いところ」と社長がおっしゃったのは、社員が価格について深く調べたり考えたりしない、とあえず粗利を50%乗せて、結局安売りになっても気にしてない、ということでした。

 

とはいえ、残念ながらこの店舗は、十分な利益が出ていない状況。当然、少しでも価格は高く保って粗利を確保したいところです。相場に対して3割も安い値段で売ることは、無駄に利益を減らしている可能性があります。

大手の「安売り店」が利益を出す仕組み

たしかに、価格を安くすればするほど、客数は増えるのです。だからといって、中小企業が安易に値下げをすると、単に「儲からない」事業を生むだけです。

 

そして、当社でいつも強く申し上げることですが、利益が出ないなら、事業をやっている意味が「全く」ありません。

 

中小企業が驚くほどの安い値段を出す大手企業は、「安い値段を実現するための仕組み」を持っています。

 

 食品スーパーが卵を1パック90円という原価割れの価格で売ったりできるのは、他部門の商品との同時購買させることで、全体としては一定水準以上の粗利が確保できるよう計算済みだからです。メーカーや卸から「協力金」をもらって、薄利を穴埋めすることも。

 

 ユニクロやシマムラなどの自社内で製造小売する企業、格安居酒屋、ファストフードなどの飲食チェーンも、顧客に安く提供できるよう、原材料の仕入れ、製品製造の方法、店頭での提供の方法等の組み立てに優れています。全ては実験されたうえで最小原価、最小コストで最適な利益が出るように計算され尽くしています。

 

 安売りは、大量販売を前提とします。広大な売場面積、膨大な販売個数、相当な客数、そして店舗数。しかし、中小企業は、基本的に、安売りをすべきではありません。そのボリュームを実現することが難しいからです。単に価格だけ真似したところで、自分の首を絞めるだけです。つまり、よほど戦略を練らないと、利益を出せません。

カネになる「自社の魅力」を見つけよ

 よって中小企業は、まず「安さ以外の価値」を見つけること、その「価値」に対して「価格」をつけていくことが必要です。

 

 当社では「商品構成やサービスメニューの刷新」を軸にして売上や利益を上げる支援を行っています。今後、クライアント企業の成長のために、安定した売上・利益を出せる商品構成やサービスメニューを作りこんでいけることが、私たちの強みです。

 

 この「売れる商品構成」や「儲かるサービス」を作りこむ過程では、顧客がどのように暮らしているか?どのように仕事をしているか?という視点が欠かせません。顧客のリアルな毎日の中で、うちの商品・サービスはどのような価値を持つか?色々と価値がある中でも、お金を出したくなるような価値、他にない価値はどれなのか?探していく必要があります。

 

 例えば、顧客からの物理的な距離の近さ、納期の早さ、新鮮さ、味のおいしさ、個別のアドバイス力、クオリティの高さ、親しみやすさ、品揃えの豊富さ、楽しさ、華やかさ...商品そのものが機能的には同じでも、

 ・お客様が安さを求めない切り口

 ・少し高くてもお金を払いたくなる切り口

はたくさんあります。

自社の魅力を探し→磨いて→鍛える、という好循環

 しかし、残念ながら安易な安売りに慣れた会社は、自分の魅力を探したり、磨いたりする力を持ちません。安く売ること、単に機械的な値付けをすること以外に、価格の付け方を鍛えていないからです。だから、安売りは「クセ」になります。それ以外の手をもたないから。

 

一方で、自分たちの魅力が何かを探し出した人、魅力を創り出せた人たちは、「自分自身を客観的に見て」「自分たちの魅力を見つけ」「その魅力を磨く」という技術を持ちます。この技術が、好循環を起こします。自分たちの魅力を磨きながら、顧客の心をつかみ、売上・利益を上げていくのです。

 

これができない会社は、高く売れるものを売りこそこねている可能性があります。非常にもったないことです。

 

さて。

 

あなたの会社の魅力は何ですか?

安易に安売りに走ることなく、その魅力を使って、お客様から十分な利益が出るお金をいただけていますか?


●コラムの更新をお知らせします(毎週木曜日)

本 由美子 もと ゆみこ

㈱Sente 代表取締役

代表コンサルタント



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