Vol.50 中小企業経営者が知るべき「良い税理士」の見分け方(記帳・節税以外編)

「税理士を変えることになった...」というお悩み

 「モトさん、税理士さんを変えることになったのですが、何か気をつけることはありますか?」とおっしゃったのは、生活関連用品の事業を展開する社長さん。

 

 業歴は個人事業主の時代から合わせると15年以上になり、今や50人のスタッフを抱える大所帯に。今後のさらなる発展に向けて事業の見直しを行っている最中です。

 

 今回は、なんでも、長く付き合ってきた税理士さんが何らかの事情で法外な値上げを要求してきたので、これを機に税理士の変更をしようと思っていらっしゃるとのこと。

 

 経営改善という観点から、新たな税理士とどんなふうに関わればいいか、というようなお話でした。

利益の最大化や成長戦略は、数字なくして語れない

  当社では「商品構成やサービスメニューの刷新」を軸にして売上や利益の最大化を実現する支援を行っています。

 

 商品構成やサービスメニューを軸にして、会社の成長戦略を作りこんでいけることが、私たちの強みです。

 

 どうやって戦略を作るかというと、最初はひたすら「数字」を見ます。売上、原価、経費、利益、市場規模、成長率、客数、客単価...

 

 なので、私たちがすぐに判断できるような「数字」が社内に揃っていれば、こちらの判断はスムースかつスピーディー。「数字」がなければ、パソコンの中の色んなファイルや、現場に置いてある色んなノートなどからデータを拾って、判断できるような数字を整理するところから始める必要があります。戦略とか成長云々言う以前の問題。

 

 そして、その「数字」を司るのは、中小企業においては、もう、税理士さん以外にはいない。なので、社長は、絶対に、「戦略判断できるような数字」を出してくれる税理士さんを選ぶ必要があります。

 

 じゃあ、どんな税理士さんを選ぶべきか? 

黒字化、黒字を維持するための計数管理

 管理の「キホンのキ」として、記帳の仕方を教えてくれるのは当然ですね。

 

 税理士さんの本業は「税務申告」なので節税策を教えてくれる、というのも当然。でもそれは、黒字で利益がたっぷり出ている時に役に立つこと。

 

 実際のところ、中小企業の半分近くは赤字なのです。赤字の会社に必要なのは、節税策よりも黒字化策。なんとか黒字にしないと、会社をやっている意味がありません。

 

 そして、黒字化するために必要なのが「部門別損益計算書」や「試算表」です。(2つ以上の部門を持っている企業には、マストです。)

 

 「部門別損益」は、それぞれの事業部門でいくら売上があり、いくら儲かっているのかを整理したもの。毎月この部門別の損益が出てくると、早い段階で危険信号を見つけたり、投資の判断ができます。

 

 あの店は儲かっているけど、この店は赤字だ、とか、WEB販売は相当効率よく利益出てるから、ここにもっと投資しよう、とか、あの部門はもう廃止しよう、というように。

 

 「試算表」は、毎月毎月、会社がどれくらい儲かっているのかの数字を整理したものです。年に1度決算書が出ただけでは手遅れになります。月次で数字を見ていくことで、迅速な判断ができます。

 

 色々な部門があるにもかかわらず、部門別損益や試算表がないと、何が儲かっていて、何が儲かってないかも全く分からず、手の打ちようがありません。

 

 なので、税理士さん候補にこんな風に聞くといいです。「月次で部門別の損益を見ていきたいんですが、どんなふうにしたらいいですか?(出してもらえますか?)

 

 この質問に対して、税理士さんの答えがNoだったり、しどろもどろだったりしたら、別の方を探した方がよいでしょう。

赤字の時に借入を増やす愚策

 私が直接知っている限りで最悪のケースは、赤字が続いているにもかかわらず、年に1度、しかも社長がしつこく催促した場合にだけしか部門別損益が出てこなかった、というもの。

 

 これでは、赤字解消策を作れません。

 

 さらに悪いことには、この税理士さん、赤字で資金繰りが遂に苦しくなってきたこの企業に対して、借入を増やすようアドバイスをし、親切にも金融機関を紹介したり、借入をしやすくするための粉飾決算をしたり...

 

 結果、その企業は、本業で赤字が続く中で、払いきれないほどの借入を背負うことになりました。

 

 もし赤字の傾向が見えた時点で、この税理士さんが会社の数字を整理して、経営者に異常を知らせ、社長がそれを見て迅速な策をとっていたなら、この会社の傷はこんなにも深くならなかったのにと、悔やまれます。

数字を使えばまともな判断ができる

 経営は、人間が集まってやる活動ですから、人生と同じくらいグチャグチャ、混沌としています。

 

 モノが動き、カネが動き、人が動き、そこに関係する人たちのいらだちとか怒りとか焦りといった感情かが常にうごめいている世界です。

 

 その「ぐちゃぐちゃ」の中で利益を出すための指揮を取らないといけないのが、社長です。

 

 数字を使えば、ぐちゃぐちゃした経営の中でも、なんとかまともな判断をしていくことができます。感情に飲み込まれることなく、複雑さにめげることなく、冷静な判断ができます。

 あらゆる事業は、遅かれ早かれ悪化します。そして、事業が悪化してきた時にこそ、数値管理が本領を発揮します。数字を見ながら、成功の確率が高い判断ができますから。

 

 逆に言えば、数字管理ができていない企業の経営は「ぐちゃぐちゃ」そのものになってしまいます。当然、事業悪化の際に、なすすべなく立ち止まってしまうか、体当たりで進んでいくような無茶をしてしまうことになりがちです。

 

 税理士さんは、私たちのような経営コンサルタントではないので、各事業でどの商品を軸にどんなふうに売上を上げたらいいか、どう行動すれば利益を増やせるか、といった具体的な提案はしてくれません。なので、そういう成長の具体策は、税理士さんに期待すべきではありません。

 

 でも、事業を数値で把握するという管理は、税理士さんに頼るべき分野です。この点から税理士さんの良しあしを判断してみてください。

 

 さて。皆さんの会社には、今後、自社の事業をどうしたらいいか判断できる数値が揃っているでしょうか?もし数字が揃っていたら、数字を見ながら、ぜひ考えてください。

 

 未来のために、今、何をすべきでしょうか?


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