Vol.52 「社員にヤル気がない」と不満な社長が考えるべきこと

スタッフの士気で売上を上げたい...

  「モトさん、営業部門の成績をよくするには、スタッフの士気向上が必要だと私は思うんですよ...」とおっしゃったのは、生活用品メーカーの営業部のリーダーさん。

 

  その方から見た営業部は、みんな見ている方向がバラバラで、相当にヤル気がなく、「士気」が落ちている状態なのでしょう。

 

  あらためて考えてみたいのですが、「士気」とは一体何なのか?

 

 それは、個人個人が持つ「モチベーション」の一つではありますが、チームメンバーが「共通の目標」に向かって、団結して戦おうとする意欲、といえます。

 

例えば、高校野球部部員たちが監督・キャプテンの元、一丸となって甲子園を目指す、その気合い。

 

 あるいは、軍隊が隊長の元、団結して敵を倒そうとする、その気持ちの昂ぶり。

 

 かなり古いですが、大石内蔵助の元、赤穂浪士が参集し吉良邸に討ち入りする、その結束力。

 

 会社でもそんな「士気」でもって社員が一生懸命働いてくれれば、会社はもっとよくなるのになぁ、と漠然と考える経営層もたくさんいらっしゃることでしょう。

まずは、「普通の意欲」で回る会社にする

 士気=共通の目標に向かって戦おうとする意欲、だとすれば、ここで問題になるのは「共通の目標」をどうするか?

 

 今期、売上30億円、必達!

 打倒〇〇社!(ライバル企業)

   地域一番店!

 

こんな「共通の目標」を会議室で社員に向かって叫んだところで、社員の心は1ミリも動かしません。

 なぜなら、数値目標やライバルの存在、地域で一番になるかどうかなど、ほとんどの社員にはどうでもよいことなので。

 

 会社は、女性・男性、老若男女、色々な価値観、それぞれ異なる思いを持つ人たちの緩やかな集まりです。会社勤めで生活の糧を稼ぐ、という共通項があるくらい。給料を払っても、残念ながら、軍隊や野球部のように強制力をもって一つの目標に向かわせ、全員の努力を結集させることは難しい。

  

 だから、実務的には最優先するのは、「一致団結」とか「社員一丸となって」というレベルにならなくても、「普通程度のまとまり」「常識的な程度の意欲」の中でも利益を出せる組織を作る、ということ。

 

 ...とはいえ、私たちが色々な中小企業の経営者を支援する中で、社員たちの士気を高く維持できるすばらしい経営者がいるのも確かです。

 

 社員が社長を尊敬し、社長が掲げる目標の達成のために、燃えるように、しかも楽しく仕事をしている。そんな会社が、稀にですが、しかし現実に存在します。そんな会社の社長は士気が低いと悩んでいる会社の経営者とどう違うか?

 

 私の考える答えは、こうです。

 

 「社長の志の高さ」が、社員の志(士気)をおのずと引き上げている。 

「社長の志」はどうなのか?

 「チームの士気をどう上げるべきか」の前に考えるべきことは、「自分は」社長として、会社をどうしていきたいのか?ということ。

 

 「チームの士気をどう上げるべきか」と考える頭の中をのぞいてみると、実は、特に深く考えも、大きな考えも、良い考えもなく、会社の未来に対してチャレンジすることもなく、ただ漫然と「社員がもっと熱心に働いてくれたらいいのになぁ」と願っているだけではないのか?

 

 経営者の底の浅さを社員は必ず感じ取ります。

 

 それで、何人もの、何十人もの、何百人もの人が動くわけがない。

 

 重要なのは、社長がどれほど本気でその事業をやっているのか?ということです。

 

 この「士気」というテーマになると、一つ、強烈に思い出す会社があります。

 

 世間的には衰退しているように見える産業の中にいながら、次々に必要な事業を買収し、独自の路線で成長を続けている会社です。

 

 その会社の社是は「人の人生を応援する」こと。売上〇百億円、という数値目標もあるのですが、まずは、その上位に社員が貢献したいと思うようなミッションを掲げている。

 

 その社長は私がお会いした社長の中でも特に利益確保についての視点が非常に厳しく、1件1件の顧客取引の粗利が会社基準を下回ると、管理者を厳しく叱責。

 

 しかしその前提として、高い粗利率を確保できる人気商品をいくつも創り出し、セールス手法の研究と教育訓練を怠りません。

 

 さらに、担当者や管理者が一目で利益管理ができるような情報システムの構築にきちんと投資します。つまり、やるべきことをやれば利益が出るような仕組みを作れているのです。ただ単に「利益出せ!」とか「売上を上げろ!」と言っているのとは、まるで違います。

 

 これが、「社長が本気である」「社長の志が高い」の一例です。

 

 世界一の〇〇を作る、でも、地域の人々を笑顔にする、でもよいのです。

 重要なのは、その掲げた理想に向かって、社長がどれほど本気で取り組んでいるかを見せることです。

どんな会社にしたいのか?

 「チームの士気をどう上げるべきか」という問いでは、本当の答えを導くことができません。

 

 たしかに、「士気向上」のスキルやノウハウは色々とあるのです。共通目標の設定や、危機感の醸成、ライバルの設定、社長のビジョンの掲示、コミュニケーション、チームビルディング...etc しかし、重ねて申し上げますが、重要なのは、事業に対する社長の志の高さと本気度

 

 どんな会社の未来を作りたく、どんな社会にしたいのか。それを実現するために会社は誰に向けて何を売るべきか。そのために何をすべきか?どんな仕組みが必要か。やるべきことをコツコツと積み上げていくことです。

 

 人間同士は自然に感化し、感化されながら生きています。未来が見えずに不安な経営者の周囲では、社員たちにも未来が見えておらず不安。思考が混乱した経営者の周囲では、スタッフたちも当然混乱します。

 

 そして、価値のある目標に向かって努力する社長の周りでは、スタッフたちは価値ある目標に向かって努力する。人間の「感化の力」は偉大です。

 

 さて。

 

 大変だけど、これほどにも可能性に満ちた社長業。

 

 皆さんは、どんな会社にしたいのでしょうか?

 

 それを実現するための、勝てる作戦と、それを実行できる仕組みを持っていますか?


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