Vol.54 節税に走る中小企業社長の何が間違っていたか?

何かよい節税策を知りませんか..

 仕事柄、コンサルティングの余談で節税策について時々聞かれます。

 

 「税理士の先生が出してくれた試算表をみたら、今期末に相当利益が出るみたいなんです。何かいい節税策を知りませんか?」というようなことですね。苦労してきた結果の黒字。社長にとっては「嬉しい悲鳴」であることでしょう。

 

 世の中を見渡せば、節税策は色々あります。共済や生命保険に入るもよし、役員報酬を上げるもよし、中古のベンツ・小型ボート・自家用の小型飛行機の類を買うもよし。はたまた自社ビルを建てるもよし。

 

 税理士さんや経営者仲間に聞けば、他にも色々と情報をもらえることでしょう。

 

 税金を心底払いたくない、国やら自治体に自分のお金を持っていかれるくらいなら、とにかく、なんでもいいから社内で使いたい、あるいは、なんとかどこかに隠しておけないものか、という気持ちは自然ですし、理解できます。

 

 しかし、この安易な節税策のために、数年後、会社が苦境に立たされる可能性があることも理解しておきましょう。どういうことか?

節税の数年後、不幸な結末

 

 黒字の後、「無防備な会社」には必ず赤字がやってきます。必ず、です。

 

 「売上下降の波」や「コストを押し上げる波」「キャッシュアウトを加速させる要因」がじわじわと、または、思わぬ角度から突然にやってきます。例えば...

 

 ・強い競合が出てきて、急激に売上が下がった

 ・代替品が出てきて、自社の商品のニーズが減った

 ・市場が縮小しているが、何も手を打っていなかった

 ・原価が高騰した

 ・光熱費が高騰した

 ・ベテラン社員がやめて、急きょ人を雇い教育する必要がでてきた

 ・顧客から訴えられて、思わぬ裁判費用、損害賠償がかかった

 ・元社員から訴えられて、思わぬ裁判費用、損害賠償がかかった

 ・通常使っていた機械が故障して、新しいものが必要になってきた

 

 そんなピンチを予知できず(または軽視して)、節税策」と称して事業の発展につながらないものにお金を使ってしまうと、その結果、数年後に赤字に陥いったり、資金繰りに苦しむことになります。その節税は間違っていたと言わざるをえません。

 

 

  時々あるのが、過去は黒字であったのに、いま事業は傾いていて売上が下がり、赤字になっているという会社。

 

 相談を受けて私たちが事業を分析してみると、商品開発や販売部門で人材が育っておらず、今後も当面売上の回復が難しい、というようなケース。そして、2,3年前の財務諸表を遡ってみると、黒字の時に生命保険に入っていたり、高い車を買っていたりするのです。

 

 お金があった時期に、商品開発や販売部門の人を雇い、丁寧に育てていたなら、新たな商品を開発し、新たな販路が開拓できていた可能性が高いのです。

たどり着きたい未来のために、いま何が必要か

 節税の前に考えるべきは、事業を維持・発展させるための投資、仕組み・人材・ノウハウへの投資なのです。 

 

 備えている会社、覚悟のある社長は違います。今期は相当の黒字の見込み、1か月後に決算が迫っている、というプレッシャーの中でも、淡々と的確に投資をしていきます。財務戦略上、社内留保が必要であれば、迷いなく税金を払う道を選ぶでしょう。(例えば、国や自治体を顧客にする事業では、貸借対照表の内容が良いこと=自己資本が厚いこと、が条件だったりしますね。)

 

   彼らは、 常に3年先、5年先を見据えて、自分の会社の問題点や必要な投資について考えます。

 

 

 

 〇将来、この会社をどんな会社にしたいのか?この会社は何をめざすべきのか? 

 

 〇どのように事業を回すのが理想か?

 

 〇目標実現のために、今の問題点は何か?何をどう解決しなければいけないか?

 

 〇どんな人材が必要で、どんな仕組みが必要なのか?

 

 

 

 だから今、マネージャー候補となる優秀な人材を採用する。営業人材の教育訓練をする。1台で10人分の仕事をしてくれる生産性の高いシステムを導入する。コンサルを使って、自社に不足している新たなノウハウを導入する。

 

 

 本当に強い会社は、優れた人材が次々に新しい商品を開発していきます。次々に新しい顧客を開拓します。新しい仕事のやり方を考え、少人数で、短時間で、できるだけのアウトプットを出すべく生産性を高めることができます。

 

 会社は、社長一人では成長しません。鍛えらえた優秀な人材や、効率の良い仕組みがあってこそ、売上減少やコストアップの危機を乗り越えることができるのです。そして、それは、お金をかけて、時間をかけて作っていくものなのです。

 

会社をどうしていきたいのか?

 「会社が成長する」=「売上が伸びること」だと単純に考えられがちです。しかし、「売り上げが伸び」続けるためには、投資、再投資を続けることです。店舗を増やす、営業拠点を増やす、工場を増やす、人を増やす、IT投資を厚くする、、、これらによって、売上の伸びは実現されます。

 

 将来を考えれば、中古のベンツを買ったり、勧められるままに生命保険に入ったりしている場合ではないはずです。経営には、本能や直観よりも、冷静さ、長期的な目線、客観的な目線、俯瞰する力が必要なのです。

 

 さて。

 

 御社では黒字の時に、安易な節税に走らず、的確な投資ができるでしょうか?

 

 自分の理想の会社を実現するために、どんな道筋でたどり着こうとしていますか?

 

 そして、その理想を実現するために、何に投資をしていきますか?


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