Vol.55 「赤字+人手不足」の二重苦の中で、中小企業経営者は何をすべきか

赤字なのに人も辞めてしまった...

人の入れ替われが激しいシーズン。人が辞めたけど次がなかなか見つからなくて、現場が忙しい、という声を聞きます。一人だけならなんとかフォローできるけれど、あちらの部門でも人がやめ、こちらの部門でも人がやめる。社内で人を手当てできずに、人手不足のまま、ある部門を放置することになってしまっている。
 
休憩や休日もろくにとれず、スタッフは不満を募らせ、疲弊していくばかり。
その中でも、その店は赤字が続いている。
なんとか売上を上げないといけない、なんとか利益を増やさないといけない、という過酷な状況。
この時、社長はどう判断し、どう行動するべきか。
 
もう、その事業を辞めてしまったら?というのが第一の選択肢です。
単純に考えると、赤字の事業をやめるだけで会社全体は黒字に近づきますから。
潔く辞めることは、大事です。よし、次、がんばろう、と未来の可能性を探せばよい。
 
問題は、社長が「いや、この事業はやめたくはない。やめるわけにはいかない。ここからなんとか脱出したいんだ」という場合です。

期限を決めて、収益策を考えるべし

なんとか黒字化をめざすなら、やるべきことは決まっています。
まず期限を決めて、赤字の事業が〇〇月〇日までに単月黒字にならなければ、撤収すると決めること。
今すぐ(このコラムを読み終わったらすぐに)紙とペンを机の上に出して、「残っている人材で利益を出す策」「もう一人ぐらい辞めてもなんとか回る策」をあらゆる角度で考え、紙に書き出すこと。
書き出したいくつものパターンの中で、最も有利に見える策を実行する。
そして、結果を計測すること。結果が出なければ、行動を修正してまたトライすること。
この一連の判断と行動を、今日、明日、少なくとも1週間以内にやるべきです。(本当は、人が辞めると分かった時点でやっておくべきでしたが。)

間違った対応策

赤字でなおかつ人もいない、というこの状況で、それでもスタッフに「売上を上げろ」と迫る社長がいたら、自分の経営能力のなさを社員に見せつけるようなものです。遅かれ早かれスタッフに見限られ、彼らが去っていくことになるでしょう。
 
過去のコラムやセミナーで度々申し上げるのですが、売上を創るのは、社員ではなく社長の仕事です。
 
売上を劇的に上げるのは、現場の努力ではなく、社長が作る戦略です。
重要なのは 誰に、何を、いくらくらいで売っていくかという戦略
であり、接客や陳列や販売キャンペーンなど、現場の努力でできることの効果はたかが知れています。
一方、親切な言葉づかいで現場を気遣いながらも、実のところ何も手を打てていない社長もいます。
「人を手配できずに申し訳ない。」「こっちで何とか新しい人を探すから。」「それまで、ベストを尽くしてほしい。」何とか持ちこたえてくれ。その後、黒字化の策を考えよう。
 
こういう指示をするような経営者なら、やはり黒字化は難しいでしょう。
結局人を補充することしか考えていなければ、売上を伸ばすことも、利益を出すことも何も見えない。

利益を出す打ち手はいくつもある

赤字店舗で今までと同じことをしるなら、病気の体を放置して、病院にもいかず運動もせず、ただ右往左往している病人のようなものです。
 
事業を健全化して利益を出すための戦略は、それこそ幾通りもあります。それを忘れてはいけません。
まず売上を上げる戦略。
今売っている顧客で売上が不十分なら、違う客層を狙えばいい。
今ある商品構成やサービスメニューで売上が不十分なら、顧客がもっと喜んでいくつも買ってくれるような品揃えを考えればよい。
そして、商品構成・サービスメニューにマッチした売り方を考える。
そして、同時に、コストを抑える戦略。
この機に業務を全部見直して、現状の人間でも回していける体制を作る、もっと少ない人数でも回せるように業務フローを作り直す、という発想も重要です。機械化する、セルフサービスを導入する、何かをやめる。
今より少ない人数で回せるアイデア、省力化を進めて人件費を抑える手法も、たくさんあります。

売上を上げる戦略とコストを下げる戦略、ふたつを実現できれば、まさに「禍を転じて福と為す」。この災いを乗り越えた時、会社が稼ぐ力が強化されるのです。

ピンチの時ほど、本物の知恵が出る

古今東西、成功した経営者は「がけっぷち」に立たされた経験を持ちます。自分の会社がダメになるかもしれない(あるいは、ダメになってしまった)という強烈な経験の中で得られることは、利益を生み出すための知恵。
崖っぷちに立たされると、頭が必死でフル回転し、このピンチで何か今までにない新しい策を練らなければ、と発想の転換ができるものです。
 
赤字でなおかつ人がいない、残った人も辞めてしまうかもしれない。最大級のピンチともいえる今こそ、あらゆる情報を集め、知恵を働かせるべき時です。
さて。
あなたは、もっと利益を出すために、どんなアイデアを持っていますか?
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