第62話 中小企業経営者がマーケティングを勉強しなくていい理由

経営者にマーケティングの知識は不要

 セミナー等で、「あぁ、この方はマーケティングの勉強をしていらっしゃるな」と感じる経営者の方にお会いすることがあります。
 お話しすると、「先生が先ほどおっしゃっていたのはマーケティングの4Pでいうところのプロモーションですね」とか「それは3Cの観点ですね」といった感じで、勉強した人ならではの用語が出てくるのです。そんなとき私は、実は、その方が経営される会社は大丈夫かな?と懸念します。この方は「お勉強」に逃げていないかなと。
 
 私のような経営コンサルタントは、「経営」という漠然とした・複雑な状況を瞬時に把握し、短期間で問題を解決していくことが仕事です。ですので、相当量の知識や情報を備え持っていることが不可欠です。(知識や情報が量が多いからこそ、目に見えない複雑なものを、整然と理解し、因果関係を理解するのです)
 しかし、同じような勉強が経営者に必要かと問われれば、私の答えは「NO」です。

勉強は「気分がいい」

 まず、社長は忙しい。そんな中で、がんばって月に2,3冊「マーケティングの基本」とか「よくわかるマーケティング」といった本を読んだところで、得られる知識は浅いものです。
 「マーケティング」の概念自体、あやふやでつかみどころがないのですが、その漠然としたものを薄い本で紐解いてみても、抽象的な概念やその関係性を浅く理解できるにすぎません。
 危険なのは、少し勉強すると、新しい知識を得た喜びで気分がよくなってしまうこと。
 「マーケティングの4P」とか「3C分析」等がその最たる例です。確かに、今までモヤモヤしていたものに枠が与えられてすっきりすることでしょう。ドラッカーだのブルーオーシャンだの、何か良く分からない横文字が「良いもの」であるように聞こえるのは、明治維新以降脈々と続く日本人の悪癖です。
 
 しかし、それらの概念を知ったところで「だからうちの会社はどうしたらいいの?」という具体的な解決策は、全く見えません。なぜなら、その抽象的な概念が「実務」とかけ離れているからです。学んだことは漠然としすぎていて、結局、具体的な解決策は見えてこない。
 だったら、モトさん、でもMBAレベルの本格的な勉強だったら、やったほうがいいのでは?と思う方もいらっしゃるかもしれません。
 しかし、こちらお薦めSいません。MBAで学ぶことは、最新であるにしろ、ひたすらケース(事例)と概念であり、そこから「あなたの会社の」「実務レベルの」解決策には、長い長い距離があります。おそらく、殆どの人はその学びから「自社の解決策」を見いだせないし、見出せるようになるためには相当な時間がかかります。
 
 大量の知識をインプットした後には、マーケティングリサーチや分析や戦略の策定、現場での実践など、さらに膨大な時間を使って、それを現場で活用するアウトプットの訓練をしていかなければ、使える知識にはなりません。

経営者が鍛えるべきスキル

 可能なら、自社に必要となる「優れた実務」(抽象的な概念ではなくて、実務上、具体的に何をしたらいいか、という話)を学ぶことができればよいですが、優れた実務ノウハウは、優れた会社の中に隠されていますので、めったに外に出ることがありません。当社の得意なところでいえば、儲かるターゲット設定や、利益が出る商品構成などの実務知識は、本にはなっていないし、本になったとしてもサワリくらいのことしか書けないでしょう。

 

 じゃあ、モトさん、何も勉強しなくていいんですか?と言われそうですが、、
 どうしても、今までとは違うことを身に着ける必要があると感じる、ということであれば、実務の中で
 論理的に考える + 数字で考える
という思考回路を鍛えてください。どこまでも。
 論理的に考える、というのは、因果関係を明確にしながら事業の問題を理解し、解決していくということ。
 「売上を上げたい」のであれば、何をやれば売上が上がるのか、論理的に考える。ほんとうに売上が上がることを選ぶ。しかも、いろいろな選択肢の中で、最も成功確率が高そうな方法を選ぶ。
 そうすると、会社の業績UPのために業界の組合活動に励むとか、社会貢献活動に勤しむ、という発想にはならないはずです。ターゲットを変えるとか、商品構成を刷新する、といった選択肢の方が確率が格段に高いことが数字で見えてくるはずです。
 「マーケティングの知識」がなくても困りませんが、この「因果関係をつかむ思考回路」ができていないのは、致命傷になります。
 なにも、論理学やロジカルシンキングの本などは必要ありません。ただ、事業を考える時、今まで感覚的に決めていたことを改めて、探偵のように、科学者のように、統計学者のように、エンジニアのように、できるだけ数字と論理で考えていく訓練を積み上げていくのです。(決してギャンブラーのように考えないこと。)
 経営はあまりにも複雑な事象であるため、社長は見えるところしか見ない、あるいは見たいところしか見ないのが通常です。広い可能性を、合理的に考える思考回路を体に染み込ませるためには訓練が必要です。
 しかし、この思考回路こそが、経営者の思考を鍛え上げ、成功の打率を高めます。そして、大失敗と大損失の被害を最小化し、会社のお金を増やします。

浅い知識をつまみ食いする社長よりも...

 勉強は大切なのですが、時間は限られています。
 高い目標を掲げる経営者には、無駄な時間を使ってほしくない。
 そもそも、中小企業において社長という存在は、業界や現場のプロであり、誰よりも仕事ができるはずですが、新規事業進出や時代の変化で、新しい知識が必要になる場合があります。
 当社ではそのような企業をご支援させていただきますが、私たちとの議論を通じて最高のアイデアが生まれるのは、浅い知識をつまみ食いしている社長ではなく、業界を知り尽くし、ロジカルに考え、さらに新しい考え方を柔軟に取り込めるような社長です。
 ロジカルであることは、他人の言うことが正しいかどうかを判断する力でもあります。人が言っていることが理にかなっていると素早く判断できれば、その知識を吸収することができるのです。
 
 さて、
 
 みなさんはどのように事業を成功・成長させていきたいですか?
 夢に到達するまでの、成功確率が高い道筋を、しっかりと見出すことができていますか?

●中小経営者限定実務セミナー開催中!

 

 お客様があれもこれも買いたくなる。また次も絶対ここで買いたくなる。それが優れた商品構成・サービスメニューの底力。

 

 今あるサービス・商品中心に【売上・利益の最大化】を実現する、BTM式商品構成・サービスメニュー刷新法。

 経営者は【現状打破】のためにどう判断し、どう行動していけばいいかを分かりやすく解説する実務セミナー。

 

「当社の転換のきっかけになりました!」と評価いただいています。詳しくはこちら→

●コラムの更新をお知らせします

中小企業経営者応援✉
今回のコラムはいかがでしたか?下のフォームでご登録いただくと、コラム更新をお知らせします(いつでも解除できます)。筆者による【メルマガ限定の特別メッセージ】もお送りします。ぜひご登録ください。
Eメール *
* 必須項目