第70話 社長の「こだわり商品」が物販事業をダメにする理由


Index

1 「こだわりの商品」は期待するほど売れない

2 「こだわりの商品」は確率論で不利

3 「より多くの人が喜ぶこと」にこだわれ


「こだわりの商品」は期待するほど売れない

 「こだわりの商品」「こだわりの逸品」という表現をよく見かけます。シェフこだわりの〇〇、職人こだわりの〇〇、等。「うちのこだわり商品を見てほしい」「全国のこだわり商品を集めた店を作りたい」という相談も、これまで何度となく受けてきました。
 しかし、残念なことに、経営者の思い入れや期待値ほどには、その「こだわりの商品」は売れません。ましてや、「こだわりの商品」を起爆剤にして、その事業が発展することなど、まずありません。それはなぜか...

「こだわり商品」は確率論で不利になる

 その理由は、お客様側には、貴社のこだわり商品の「価値」が分からないからです。
 「こだわり」はあくまで「売る側・作る側」の「こだわり」です。 産地、原材料、製法、デザインや色、保存方法、運搬方法...いろいろなところに「こだわり」があるのでしょう。しかも、「いろいろこだわった商品」なだけに、価格は市場価格よりも相対的に高くなっているはずです。ここが、特に問題です。
 なぜなら、その価格を許容する顧客も相対的に少なくなるからです。こだわりと共に、値段が上がれば上がる。すると、その価値を理解し、共感し、購入する人は、100人に1人、1000人に1人と、確率論で不利になります。(当然、価格が安いほうが、購入の確率は高くなります。)
 でも、何かよそとは違うことをしないと、差別化にならないじゃないか、と思われるかもしれません。
 その通りです。
 その「こだわり」は、もはや他との差など出しようもない商品・サービスの上に、何とか他社との違いを出すための苦肉の策なのでは?苦肉の策は、やはり、苦肉であって、利益という果実を生まないのです。
 「買う側」のほとんどは、「こだわりの商品」を求めてなどいない、という現実をベースにしなければ、事業戦略は実を結ぶことがありません。
 その大原則を無視して、あるいは、その大原則に気づかずに、自分たちの「こだわり」を顧客に提案することに貴重な会社のお金、貴重な社長の時間を使ってしまっているのなら、そのビジネスは致命的です。
 では、顧客は何を求めているのか?

「より多くの人が喜ぶこと」にこだわれ

 顧客側は、単に、自分の暮らしの中で必要なもの、便利なもの、自分たちのニーズを満たすもの、自分たちの欠落を満足させるものを買いたいだけなのです。
 正しい「こだわり」は、利益にならない「商品の細部」ではなく「より多くの人が喜ぶこと」にこだわること。収益可能性が高いこと、成長可能性が高いものに、挑戦してこそ、現状を打開できるというものです。
 
 人間の暮らし方は、時代とともにどんどん変わっています。10年前の主婦と、現在の主婦では生活の仕方が全く違います。10年前のビジネスパーソンと、現在のビジネスパーソンでも、仕事の仕方が違います。その変化の中に、新たな商品構成や新商品開発のチャンスが多く隠されています。
 その変化を敏感にとらえ、商機を見つけて、商品として提供することによって「より多くの人が喜ばせる」ことができます。この挑戦が、貴社の今後の新たな売上・利益の源泉になります。その仕組みを実現することが、経営者の大事な仕事なのです。
 細部にこだわって行き詰っている場合ではありません。新たな発展につながる行動を、積み上げていきましょう。その可能性を切り開いていきましょう。

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