第71話 社長が知るべき、「やる気のある優秀な女性」に逃げられる会社の特徴


Index

1 女性管理職が育たない、という社長の悩み

2 「男みたいに働く女」を育てようとしていないか?

3 「男メンタリティ」「男コミュニケーション」の変革

4 お互いに成長する関係性をめざす


女性管理職が育たない、という社長の悩み

 今週、ある社長から、うちは女性管理職が育たないんですよ、いうボヤキを聞きました。こういった声は他の会社でもよくあがっていますね。

 

 

 では、管理職を育てるためにどんなことをしているのですか?と聞くと、数年前から期待をかけてきた、〇〇長という役職を与えているし、外部の教育も受けさせている。でも、一部門を任せられるような人材になっていない、正直どう育てたらいいのか分からないんですよ、とのこと。

 

  こういうお悩みを聞くたびに思うのは、「まるで男女関係の悩みを聞いているようだ」ということ。

 

  「女性管理職が育たない」問題の解決は、会社とプライベートという「場の違い」こそあれ、妻とうまくいかない、恋人とうまくいかない、というような悩みの解決と本質的には同じです。

「男みたいに働く女」を育てようとしていないか?

 旧来型の会社組織は「男性の考え方」「男性世界のルール」を基盤にした「男性世界」です。

 

 

 売上拡大、数値目標、ピラミッド組織、戦略思考、縦割り組織、上意下達、成果主義、勝ち負けの発想、、、旧来の会社を成り立たせている、こういった制度・組織・発想は、大きなことを成し遂げるための偉大な発明ではあります。が、これらは男性の感覚をベースにしたものであり、女性本来の情熱(産み育てる情熱)とは大きくかけ離れています。

 

 

 ・数年前から期待をかけてきた

 ・役職を与えている

 ・教育も受けさせている

 

 こういった一連の”女性社員育成策”は、「女性を男性世界に引き込む方策」です。通常の人材育成としては、自然なことでしょう。しかし、「より多くの女性を」「会社の中核を担うような人材に育てる」ことを目指すなら、話は別です。

 

 この程度のフォローで「期待をかけた女性社員が一部門を任せられるような人材になっていない」というぼやくのは、「(その女性が)男性世界で成果を出せるような、タフな人材に育っていない」と言っているのと同じです。

 

 いまビジネスの世界の中心で活躍する、50代、60代の女性たちは、男性社会に合わせるスキルを学び、高めながら、男のように考え、ふるまい、タフに生き延びてきました。これが女性にとって不自然で苦しいプロセスであったから、多くの優秀でやる気ある女性たちが、会社の中核を担う人材に育たずに去っていったのです。

 

 

 男女のパートナーシップは、一方が他方に合わせるだけでは、必ず破綻します。

 

 

 いま、本当に「女性を活躍させたい」「女性を会社の中核として育てたい」のなら、会社が女性の感覚に合わせて改革することが重要です。

 

 

「男メンタリティ」「男コミュニケーション」の変革

 

 

 「あ、分かっています、働き方改革ですよね?」と思われる方もいらしゃるでしょう。

 

  もちろんです。いまメディアや行政の施策で盛んに取り上げられているように、出産や育児をしながら働く環境が整える、とか、セクハラ・マタハラ・パワハラの類を根絶するというのは「基本中の基本」として改善されるべきでしょう。 

 

 しかし、あまり言われていないことですが、会社の根底に漂う「男メンタリティ」「男文化」、この存在に気づいて変革しなければ、永遠に女性の貢献意欲は高りませんし、御社の成長に貢献するような女性幹部も育ちません。

  

  多くの女性社員たちは、売上や数値目標、企業の成長、競合打倒を声高に叫ぶ社長を、内心白々しい気分で見ていることでしょう。上位下達、縦割り・ピラミッド組織を窮屈で退屈だと感じるでしょう。部門間の競争、競合との競争を、どうでもいいことだとながめていることでしょう。女性にチャレンジや責任を押し付けながら十分な支援をしない会社に、大きなストレス感じることでしょう。

 

 女性は元来、コミュニティの中で大切に子どもを産み育てる性です。そのため、たとえ独身の若い女性であっても、人と率直に自分の喜びや不安をシェアするコミュニケーションを好みます。人間関係の良さ、誰かの役に立っている実感、だれかに助けられている実感を、本能的に必要としています

 

 競争や勝ち負け、戦うことには興味を引かれないし(むしろ嫌悪するかも)、会社が10年後に10倍の規模に成長することよりも、自分や仲間が今日・明日を安全に平和に暮らしていくことの方が重要です。自分の味方とはとても思えないおじさん(上司)の指示に従うなど、生理的におぞましいとさえ思う人もいるでしょう。

 

 こうした観点から見ると、経営者が声高に叫ぶべきは、売上や数値目標の前に、例えば、自社がどのように世の中の人々の役に立っていきたいか、です。

 

 そして、経営者として、どれほど社員の人生の味方でありたいか、を常に伝えていく必要があります。社員たちの不安や不満を吸収し、顧客や現場から有力なアイデアを引き出す、フラットで会話の多い組織にすることも大事でしょう。

 

 また、女性の「失敗やトラブルに際してのダメージ」は男性の比ではありません。成功させるためのフォローアップや、失敗してもかまわないのだという励ましは必須です。

 

 

 

 

お互いに成長する関係性をめざす

 

 感度の良い方はお気づきかもしれませんが、先進的な企業の「働きかた改革」は、単に子育てで休みやすい、というような安直なものにとどまりません。コミュニケーションの面でも、組織文化の面でも、大きく改革が進んでいます。

 

 そして、そういう会社は、人材募集に困ることがありません。(女性が働きやすいと感じる環境は、20代の若手にも働きやすいので。)そして、新たなアイデアに富み、しっかりと前進していけるのです。

 

 

 女性におもねる組織になれ、というわけではありません。実際、女性の方が、「男性組織」の効率性・合理性に合わせることもとても必要です。しかし今まで、この歩み寄りがあまりにもアンバランスでした。

 

 男女のパートナーシップは、一方が他方に合わせるだけでは、必ず破綻します。両方がお互いを尊重し、補い合い、励まし合っていくことでしか、幸せな関係にはなりえません。双方が歩み寄ることで、はじめて共に成長できる関係ができてくるのです。 

 

 さて、御社では女性が活躍できる土壌を持っているでしょうか?

 

 優秀でやる気のある女性たちが持つ、新たな事業アイデアや顧客ニーズに関する気づきを、取りこぼすことなく吸い上げることができていますか?


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