第72話 社長が知るべき「マーケティング分析」の落とし穴

マーケティング分析ツールを検討しているのですが...

 「モトさん、うちの会社でも〇〇を使ってみようと思うんですが、どう思いますか?」と聞かれることがよくあります。
 〇〇は、あらゆるマーケット分析ツールが入ります。巷には高度な分析ツールが溢れています、WEBサイトの解析するもの、商圏分析ツール、店頭で来店客の動線分析、POSデータの分析等。
 新たなツール導入で「うちの会社はこれで素晴らしくよくなるかもしれない」感じがちなのですが、期待するのは早計です。御社が売上を伸ばしていきたいと考えているのなら、この魔法の杖のように見えるツールたちが、何の魔法も持っていないことを、きちんと知っておくべきです。

内部情報、競合情報、顧客情報の全てが必要

 

 売上を上げるために重要なのは、まず「売上を上げる原理原則」に関する知識を持っていること。計測や分析はその後です。
 前提とする知識が間違っていると、間違った計測、間違った分析をし、その結果、売上にも利益にもつながらない、間違った結論を出してしまうことになるからです。
 さて、原則から見ると、売上を上げようとするときに重要な視点はこの3つです。
 1)競合情報(競合数、競合規模、競合の商品構成、価格、販売方法など)
 2)顧客情報(市場規模、商圏規模、顧客ニーズ、消費者行動など)
 3)内部情報(立地、店舗、商品構成、商品単品、価格、販売方法、販売データなど)
 この3つの情報を幅広く収集・分析しながら、「うちの会社は誰をターゲットにして、何を売ったら売上を伸ばせる可能性が高いか」を見極めていきます。
 そして、分析は、現状を変えるためのプロセスの一つにすぎません。全体のプロセスを、あらかじめ俯瞰しておくことが必要です。

 

 1.目標を立てる

 2.現状把握

 3.分析

 4.戦略、計画策定

 5.実行

 

 分析が重要なのではなく、目標を立てる~実行する、というプロセスを何度も繰り返していくことが重要なのですね。

 

 これらの原則からすると、マーケティングの分析ツールに過大な期待をすることには、色々な落とし穴があります。例えば...

マーケティング分析の3つの落とし穴

(1)「社内ばかり見ている」という落とし穴

 世の中に出回っている「分析ツール」は、ほとんど<内部情報>を分析するものだといっていいでしょう。
POSのデータを細かく分析するもの。最近は、AIを使って来店客の顔を認識し、リピート率や店内での動線を示すものまで。いずれにせよ、会社・店舗の「中」で起こった、その一部、を示しているだけです。
 例えば企業は、自社の商品に自信があるのに売上が伸びない、ということでつまづき、どのような売り方をすればいいのか、と悩みます。この悩み方は、視点が<内部情報>に向いているために、効果的な解決策が出てきません。

 

 このとき、<外部情報>として、競合も同じ製品を出しているし、格段に安く、かつ広告宣伝も積極的だ、という情報、そして<顧客情報>として、現在そのような商品を求める潜在顧客は減少している、というような情報があれば、この時はじめて、現状の停滞を力強く打開していく可能性が出てくるのです。 

(2)「数字を見すぎ」という落とし穴

 分析の多くは「定量情報」、つまり「計測可能な数字」を使って行われます。商圏人口、支持人口、来店客数、男女比、買上率、購買率、KPI、KGI..コンサルタントたち、そして分析ツール専業の人たちは「経営の中で起こっている事象をできるだけ数字で裏付けることが重要だ」と訴えます。(まあ、私もその一人ではあります。)

 

 昨今の分析ツールの発展でこの傾向は加速していますが、その数字や指標は、もはや経営者の理解をはるかに越えているといってもいいでしょう。これは、自社のWEBサイトの訪問者の傾向を分析するGoogle Analyticsや、税理士事務所が出してくる財務分析情報などがほぼ活用されていない実態からも分かります。

 

 そして、経営者は理解できる範囲のデータに惹きつけられる一方で、重要な「定性情報」が、おもしろいほどに見落とします。あるいは軽視します。なぜ消費者がその商品を買うのか、どのような心情で競合を選ぶのか、どのような新しいニーズが芽生えつつあるのか、競合の販売の仕組みがどうなっているのか、等。

 

 心理、心情、感性、仕組み、構造、、、データにならない多くの「価値ある情報」が見落とされ、この結果、企業は新しいビジネスチャンスを逃しているのです。

(3)「分析止まり」という落とし穴

 先にも述べましたが、分析は、現状を変えるためのプロセスの一つにすぎません。これは、例えば肥満の人がダイエットすることを考えてみると分かりやすいでしょう。

 

1.目標を立てる(夏までに10kg痩せるぞ)

2.現状把握(現在の体重、摂取カロリー、運動量など)

3.分析(なぜ食べ過ぎてしまうのか、なぜ運動しないのか)

4.戦略、計画策定(食事を1日1800kcalとする、毎週3回ジムに行き合計3時間走る)

5.実行(上記のタスクを3か月継続して結果を計測する)

 

 どれだけデータを計測・分析しても、そのあとの戦略、計画、実行がなされなければ、いつまでたっても、目標が達成することはありません。体重計の数値をいくら見つめても、理想的な体形を手に入れることはできないのです。

成長するための戦略はあるか?

 売上を上げたいなら、幅広く情報を得ることが大事です。

 そして、分析にづまづいたり、ハマるのではなく、戦略を立て、実行していくことが大事です。

 

 私たちは、商品構成やサービスメニューの刷新をすることによって、事業を成長させるお手伝いをしますが、企業が、偏った情報で無駄に時間やお金を使うことのないように、バランスを取っていく役割を果たせるよう支援しています。

 

さて。
みなさんの会社では大きく成長するための、適正な情報収集や分析ができていますか?
そして、売上を伸ばすための、確かな戦略が見えていますか?

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